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有休とって駒場と下北沢めぐり

有休をとって午後3時から行われるライン京急(山縣太一+大谷能生)のライブを見るために駒場アゴラ劇場へ。

mountainticket.wixsite.com

現在公演中の『ホールドミーおよしお』(2023/6/28〜7/9)の休演日を使って催された1時間弱の二人のライブ。マウンテンチケットというプレミアチケットみたいのを買ったのだけど、その特典的な催しがこれで、この日にしかやらないので有休をとった。

とにかく次の瞬間に何をやるのかまったく想像がつかないまま1時間続いた感じ。そういうのはデタラメではできない。何も考えないまま適当にやったらむしろ同じことをただ繰り返すだけになってしまい、結局すぐに止まってしまう。綿密な稽古や準備があるからそれだけ維持できる。その「予想がつかないことを体と技術でやる」というのを目の前で見たいと思っていたから、見れてよかった。全身を使った全力、一瞬も手を抜く暇がないそれを間近で見られる機会というのは、そうそうない。それが実現できてよかったし、あと何回実現できるかわからないが、できるかぎりそれを享受したい。

駒場東大前駅はすごく久しぶり。20年ぐらい前、というのは2004年の春だけど、菊地成孔さんと大谷能生さんの東大ジャズ講義というのが始まって、モグっていいよみたいな話があったから菊地さんのジャズ私塾に通い始めたばかりの僕は流されるようにそっちにも行ったのだった。それから1年半通って、その勢いで国立音大にも何度か行った。今はもうそんなことはできないだろうけど・・。

当時の時点ですでに30を過ぎていたし、最初に東大構内に入ったときは本当に死ぬほど緊張していた。つまみ出されると本当に思っていたから。まあ一生に一回のチャレンジ!みたいに思って行ったのだけど、結局つまみ出されることはなかったし、上記のとおり1年半毎週通い続けた。(数回は休んだかもしれないが忘れてしまった)

久しぶりの東大前は、変わっていないような、変わったような。よく覚えていなかった。緑が多いのは以前と同様だったかも。さすがに今回は構内には入らなかったが、門の前のタテカンには「入管法改悪反対!」というのがバシンとあって、いいじゃん、いいじゃん!と思った。

終わってから、下北沢まで出て本屋B&Bへ。この店を作った内沼さんは後藤繁雄さんの門下生で、ぼくの兄弟子にあたる・・と勝手に思ってる。だから店ができた当初から知ってはいたけど、行くのは初めて。元々は別の場所にあったのだと思うけど、今はボーナストラックというコンセプチュアルな長屋みたいなところに入っている。

このB&Bで今度の日曜日に「第1回 音楽本大賞」の授賞式というのが開催されることになっていて、それを見に行くので、その下見。音楽本大賞は以前にも書いたかもしれないけど、これ。クラファンで資金を募っていて、ぼくもそれに支援&そのリターンがその授賞式の参加券みたいなやつだった。

motion-gallery.net

B&Bには思ったとおりの面白そうな本がまったく脈絡なく、しかし脈絡しかなく並んでいた。どれも興味深い。Zineも多い。とりあえずビール。山椒のやつ。1000円ぐらいの特殊なビールもあったが、これはたしか700円ぐらい。飲みながら店内を歩けるし、そのまま外に出ても問題ない。というかボーナストラック内だったらそれを持ったまま入店したってとくに問題ない。快適すぎる。

一旦外に出て、とにかく朝からほとんど何も食べていなかったので食べるものが欲しくなり、魯肉飯を出す台湾料理のお店に。麻婆味と伝統的魯肉飯のあいがけと、酸梅湯というのを使った薬膳的なサワーを頼んだ。待っている間に流れていた音楽が素敵だったので、これなんですか?と聞いたら、台湾の洪申豪(Hom Shenfao)という歌手がやっているVOOIDというバンドの曲だった。

見るとSummer Eyeと台湾のエイミーのアナログ盤など音楽の商品もいろいろ置いてあって、聞けばレーベルもやっているという。すごい。当然というか、リン・イーラーさんのこともよくご存知で、そのまま岸野雄一さんの話まで。お店の人の一人は、今年の1/11に曳舟で行われた岸野さん主催のリン・イーラーさんのライブにも行ったという。

natalie.mu

負けじと僕も中野の盆踊りや別の年の岸野さんのライブでリン・イーラーさんを見たという話をした。かなり音楽が好きな人たちで、楽しかった。魯肉飯は中庭の共用スペースみたいなところでゆっくり食べたが、美味しかった。最後のひとくちまで美味しいと思った。酸梅サワーはちょっとクセがあるみたいな話だったが、ぜんぜん気にならなかった。むしろ飲みやすくてスイスイ飲めそうなのが危険という感じだった。

ちなみにSummer Eyeはこんな感じの音楽。

www.youtube.com

上記のレーベルはたぶんこれっぽい。

www.bigromanticrecords.com

その後、これも気になっていた日記ばかりを扱う日記屋というお店に入って、ひとしきり見回った。田口史人さんの古本が手頃な値段だったので買った。田口さんといえば高円寺円盤の店主で、岸野さんのイベントを見るために何度も通ったのでそれもあって。

日記屋さんを出て再びB&Bへ。飲み終えたビール瓶を返却。以前から探していた『アイオワ日記』がNUMABOOKSから出ていることを思い出して、在庫ありますか、と聞いたらあちこち探してくれたのだけど、置いてなかったので目についた手作り風のZineを2冊買った。

アイオワ日記というのはこれ。

それから、今回は買わなかったけど、本を探してもらっている間に眺めていてこれカッコいいなあ・・と思った雑誌がこれ。

けっこう買い物していたのでちょっと買うのに躊躇したんだけど、やはり近いうちに入手したい。

帰り道、どこかで夕食を食べるつもりだったけど随分疲れていたのでやめて、帰宅してから軽飲食。長く強い一日だった。明日仕事できる気がしない。