103

Bandcamp Fridayで買ったもの(2021/8/6-8/7)

8/6(金)から8/7の午後4時まで、Bandcamp Fridayが開催されていたので10本ぐらい買った。6千円ぐらい。

Bandcamp Fridayの公式アナウンスはこちら。すでにアップデート済みで、次回開催の9/3について言及されているけれど。

daily.bandcamp.com

これは昨年から始まって一旦5月で終わっていたんだけど、8月からまた再開されたということみたい。
あまり日本語での記事はないけど、以下は短いながらわかりやすかった。

Bandcamp Fridayが年内継続。2021年8月より再び実施

そもそもBandcamp Fridayって何?という話は以下がわかりやすい。

音楽配信のBandcampが手数料免除の「Bandcamp Friday」を2021年5月まで延長 | TechCrunch Japan

毎月第1金曜日、同サービスは手数料を免除してアーティストやレコード会社が利益を増やす機会を提供している。(略)アーティストは平均して売上の93%を受け取る(残りは支払手数料)。通常は82%だ。

前にもこのタイミングで買ったことがあったかもしれないが、今回はちょうど気になっていたバンド、曲がいくつかあったので支援や感謝や興味で購入したのが以下。

  • to forget by wishing
  • tragedy reel by Fog Lake
  • UNTITLED '91 by Hector Gachan
  • Lovesick by RICEWINE
  • Songs For Dads by The Walters
  • Vacation//Time by Beach Fossils
  • 허수아비와 춤을 Dancing With A Puppet by 도마 Doma
  • cloud of unknowing by Taku Unami
  • music for white noise by Taku Unami
  • electronics solo by Taku Unami
  • Comet Meta by David Grubbs & Taku Unami

それぞれのリンクは最後に貼っておく。

以下、簡単なコメントを。

  • to forget by wishing
  • tragedy reel by Fog Lake
  • UNTITLED '91 by Hector Gachan

最初のwishingとFog Lakeは今回の目玉。他にも良いアルバムが多くて数枚カートに入れていたけど、他のアーティストも欲しいのが出てきたのでとりあえず1個ずつにした。
Hector Gachanのアルバムも以前にSpotifyで出てきたのを聴いて以来ハマっていたのでこの機会に買っておいた。

じつは以前にSpotifyで聴いて上記と同じぐらい「いいな」と思ったClairoという人がいて、ただSpotifyではいろいろ聴けるんだけどBandcampでは買えるものがなかった。Spotifyだと以下とかいい。
open.spotify.com

日本では無名に等しい気もするが、Spotifyでは「This is Clairo」なんていう公式のプレイリストもあるぐらいなのでけっこう有名なのかもしれない。この人に限らず、SpotifyでもBandcampでも触れているといつも思うことだが、まったく世界には現在進行形でとてつもなく素敵な未知の音楽がまだまだ沢山ある。それを知らないまま私は生きている。そしてそれらを知らないまま死んでしまうのだろう。悲劇!

  • Lovesick by RICEWINE

話を戻すと、RICEWINEもSpotifyで何か別のを聴いていたとき(HomeshakeかSALESあたりかも)に類似アーティストみたいな感じでレコメンドされて聴いて以来ちょっと気になっていた。それでアーティスト名でBandcamp内で検索したらアルバムがけっこうあって、聴いてみたらどれもいい。むしろSpotifyで聴いたやつよりずっといいのが多い。
ということでいろいろ試聴してとりあえずそれを買った。

  • Songs For Dads by The Walters

Waltersのそれは非常に耳に残る曲。というか耳から離れずちょっと困るレベル。敬愛するi'm cyborg but that's okさんもこれを使って1つビデオを作っていた。
The Walters - I Love You So - YouTube

  • Vacation//Time by Beach Fossils
  • 허수아비와 춤을 Dancing With A Puppet by 도마 Doma

Beach Fossilsは別の曲をSpotifyで聴いて好きだったが、これも試聴したら面白かったので。夏っぽい。

도마(Doma)は韓国のミュージシャンだと思うのだけど情報が非常に少ない(少なくとも日本語では)。Bandcampで1つだけ、クリスマスコンピみたいのに入っていたので印をつけるように買っておいた。

  • cloud of unknowing by Taku Unami
  • music for white noise by Taku Unami
  • electronics solo by Taku Unami
  • Comet Meta by David Grubbs & Taku Unami

残りは宇波拓さんシリーズ。最近yumboや澁谷浩次さん、工藤冬里さんの曲を聴く機会が増えて、そういうなんか先入観を取っ払って音楽に付き合うみたいなことをしたくなった、ということかも。
David Grubbsとの共作については以下の記事の感想がいろいろわかりやすくてよかった。
David Grubbs/宇波拓 「Comet Meta」(2020) - telの日常三昧

小難しさのない、アバンギャルド。日常を邪魔しないが、音楽はシッカリと存在感がある。BGMにもぴったり。とても心地よいアルバムだ。

Bandcampの良いところは購入したものがその直後からアプリに収納されていつでもそこからサクサク聴けることだ。*1 Webアプリでもスマホでもその出来は良く、ストレスはほとんど感じない。
勝手にアプリに入ってくれるので、リッピングはもちろんダウンロードの必要もなく、わざわざそれをiTunesに移してさらにスマホに転送して・・なんて必要もない。手軽だし時間も無駄にならない。聴きたい音楽をただ聴ける。また今回は触れないがリスナーがアーティストを気軽に支援できる仕組みもいろいろ工夫されている。

Bandcamp Fridayは年内は続くようだけど、Bandcamp自体上記のように普段から良いサービスを提供していると思うので、今後も開催日に関わらず利用したい。

なお、ついでのようだがテニスコーツのレーベルmajikick records等による「Minna Kikeru」も音楽家支援の姿勢が色濃い素晴らしい音楽配信サービスで、ここからもちょいちょい買っている。ストリーミングはすべて無料で可能。上の話に興味を持った人はこちらも良かったらチェックしてみてください。
minnakikeru.com

(了)


wishing.bandcamp.com
foglake.bandcamp.com
niceguysweare.bandcamp.com
ricewine.bandcamp.com
thewalters.bandcamp.com
beachfo.bandcamp.com
heosuabi.bandcamp.com
tenselessmusic.bandcamp.com
hibarimusic.bandcamp.com
hibarimusic.bandcamp.com
grubbsunami.bandcamp.com

*1:実際には購入の必要すらなく、ウィッシュリストに入れておけば全曲ストリーミング試聴できるものも少なくないが。

外国語学習について

日本語のコレは韓国語だとなんと言うのだったか・・ということはたびたびあり、頭の中のおもちゃ箱のような、それが埋まっているはずの雑多な単語集の中からソレを引き当てて、よいしょと目の前に持ってきて「韓国語ならコレが該当する」と差し出す。ということを繰り返すうちに、それらは常に1対1のわけではないが、それでも大体対応できるようになってくる。

基本的には、この「検索→見つける→持ってくる」の一連の動作のスピードが上がって、それをしていることすら忘れていくようになる、というのが外国語学習のある種の最終形というか、言語を獲得するまでの過程ということになるのではないかと思うが、同様のことは母国語に対してでもあるわけで、「えーと、ほらこの曖昧な感覚、たしかちょうどうまく言い当ててる表現があったはずだけど・・なんだっけあれ、含羞?薀蓄?韜晦?」みたいに、普段の生活ではあまり使わないが時々その表現でしか言えない感覚にばったり行き当たることがあり、この言葉ってこういう時に使うのか、便利!みたいに思うことがある。

言葉は言葉でなかった何か(というか感覚や考え)を他人に共有するときに必要になるパッケージというか、仮の形象・物体みたいなものだと思うが、「いやいや、そういうことを言いたいわけじゃないんだ」的な、元の感覚とは全然異なる仮象にその伝達を託してしまうと、その誤解を解くのがまた大変なことになる。

「暑い!」という感覚を他人に伝えたいときに、ひとまず最低でも「暑い」という表現をひとつ覚えておけば何も言えないよりはマシではあるが、どんなふうに暑いのか、ということは毎回必ずちょっとは違うはずで、そのちょっとの違いを表現したいと思ったらいくらでも他の表現が必要になってくる。
これはコンビニのドリンクコーナーで「何か炭酸が飲みたい」と思ったときに全部コーラ(レギュラーの)だったらどうなのか、ということに近くて、全部コーラでも炭酸が何もないよりはマシかもしれないが、やはり個人的にはカロリーオフのコーラがあった方がいいし、そう思う人が増えてきたからそういうコーラも並んでいる。

そう思う人が増えてきた、と今書いたが、実際にはそう思う人が増えてきたのではなく、そう思う人は昔っからいて、つまり「もっとなんか甘くなかったり、砂糖が入ってないコーラがあればいいのに」とは思っていたが、その自分自身の欲望に気づいていなかったり、気づいていても諦めたりしていただけで、そのニーズを拾って商品化した人にしても、初めから売れる見込みがあったわけでもなく、トライアンドエラーを繰り返す中でようやく「やっぱりカロリーオフのコーラ(というか炭酸飲料)を飲みたい人もいたんだ」と確信できたということだろう。

同じような話を続けてしまうが、ぼくは以前からアルコール度数が低いサワー系のお酒があればいいのにと思っていたが、ちょっと前までは9%とかの低価格でバッチリ酩酊できますみたいなものが隆盛で辟易していたが、最近になってようやく5%未満の3〜4%ぐらいのお酒の種類が増えてきた。しかしこれもまだ好みからはちょっとズレていて、今はそういうものだと女性向けというコンセプトなのか、フルーツ系の甘ったるいものが多いから、もう少しドライで苦味があるようなものでそういう低めの炭酸酒があればと思っているし、そういうものもきっとそのうち出てくるだろう。

こういうことを言うと、「そんなものトニックウォーターとかで自分で割れば十分だろう」といった代替案が出てきがちだが、わざわざ手間をかけてでもそれが欲しいという話ではなく、今メジャーなものが持つ便利さやアクセスのしやすさを、やがてはマイナーで微妙で曖昧なものも獲得していくという話。この流れは不可逆で、今後すべての炭酸系ドリンクがレギュラーコーラに一本化されるとか、発泡系のお酒がビール1種類のみになるということはありえないので人間がそういう多様化を求めている。

絵を描いていて紫色を使いたいと思ったときに、紫色の絵の具がなければ赤と青を混ぜるだろうが、初めから紫色が用意されていたらそれを元にした方がイメージに近づけやすい。6色セットと100色セットの絵の具があったときに、どちらの方が良い絵を描けるかはわからないとしても、100色あればその方が「この色を使いたい」と思ったときに混ぜる手間が減る。

外国語を話すときに困るのは、基本的な表現の「間」にある曖昧で名状しがたい感覚を表現しようとしたときに、それをそのままピンポイントで言い当ててくれる言葉が出てこない(そもそも知らない)といったことで、これは「こういうドリンクを飲みたいのに無い」とか、「紫色を使いたいのに赤と青しかない」という状況と同じで、だからそういう「間」のものを埋めていく、あるいはその「外側」にあるものを調達してくる、ということが必要なのだと思える。

言い換えると、全部で100個の目盛りがあったらまずはそれを10個ずつ刻んで10目盛りだけ獲得し、それができたら5刻みでさらに10個の目盛りを獲得し、それもできたら3刻みで・・というふうに、だんだんと使える表現の目盛りの数を増やし、どれだけ曖昧な感覚であっても言い当てられるようになればそれが外国語で話すことを助けることになるのではないかと考えている。

気づきメモ

最近の気づきをいくつかメモ。

後回し

物事を後回しにすることの問題。自分でイメージしているよりだいぶ負債感が強いのではないか・・とふと思い、どのぐらいマズイのかちょっと考えてみた。
まず、後回しにしてしまっているとき、頭でイメージしているのは、単なる持ち越しというか保留というか、手元にキープしておく感じで、何も失っていないという情景。何も得てはいないけど、失ってもいないという。
しかし実際には、何かを必ず・確実に失っているはずで、これはたとえばレンタルビデオ(古)の延滞料金とか。あるいは、銀行のATMで時間外に現金を引き出した時の手数料。あるいは借金の利子。適切なタイミングでさっさと対応していれば払う必要がなかった出費みたいなもの。それを、後回しにしている間ずっと払い続けている感じ。
利子とか手数料だと「小さな出費」という感じもするから、もっと致命的に近い喩えを考えるべきかもしれないが。少なくとも「キープ」ではなく、後回しにしている間はずっと何かを失い続けているということを言いたい。

ただし、状況が不安定でリスクを見定められないような場合、たとえば病気の経過観察みたいな、手術をするかどうか微妙だから様子を見るしかない、みたいな状況はたしかにあって、そのように何らかのアクションをしない方が良い可能性がある(それをすることによってより大きなデメリットを被るかもしれない)という場合には、手数料を払ってでもアクションを後回しにした方が適切とは言える。

冷笑する特権

五輪反対やLGBTQ支援やフェミニズムといった運動をする人たちに対して、「そんなに熱くなっちゃって、もっと冷静になりなよ、そんなんじゃ誰も話を聞いてくれないよ」という上からな態度の人が相変わらず少なくなく、一体どういうことかと思うが、結局はそのように余裕を持って語れる特権的な立場にあるということなんだろう、と思った。これはヴィルジニー・デパントがBLM関連でどこかに寄稿した話を誰かがTwitterに流したらえらいRTされた、それと同じような話でもあるんだけど。あれは白人であることを意識せずに済むのが白人の特権である、みたいな話だったか。

少し前に、noteで岸野雄一さんが『民主主義のエクササイズ』という論考を公開していて、今は有料で読むことができるけど、そこで言われていた非常に重要なトピックとして、自分のユニークさをアピールするために他者との差異を表明するという現象があり、その表明は多くの場合その他者を批判することによって成り立っている、その際にはその表明が目的なのではなく、「ユニークな私」をアピールすることが目的になっている的な、実際にそのような表現で書かれているわけではないんだけど、僕はそのように読み取ったその話がまた非常に近い内容でもあると思っている。

岸野さんの同論考はこちら。
note.com

元々は雑誌『ニューQ 03号』に寄稿された記事なので、現物が欲しい人はそちらがオススメ。
newq.theocorp.jp

他人を自分の人生の評価者にしてはいけない

自分の人生は成功だったか、失敗だったか、意味はあったか、無かったか、といったことを考えるときに、その判定を他人に委ねてはいけない。あの人が駄目だと言ったから駄目なのだ、なんて決めてはいけない。その人は何もわかってなどいない。他人による自分への評価を、自分に関する評価の参考にはしてもよいかもしれないが、他人による評価を決定事項にしてはいけない。