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　家の前の通りに信号があって、そこで信号待ちをしている車の窓から大音量でいわゆるトランスというのか、エイベックスとかのユーロビートの現在形みたいな、全然知らないんだけどそういう音楽がバラララって流れてきて、ここで言うエイベックスっていうのは固有名詞というより代名詞とか一般名詞的な抽象として言っているのだが、爆音のそのエイベックスを車中の人は自分でも気に入らなかったのかどんどん「次の曲、次の曲」って送っているから聴いてて楽しいのだが、しかしこれがどこまで変えてもぜんぶ一緒！！うわー（笑）、おんなじだなあ（再笑）と思って聞いてたら信号が変わったようでブーンと行ってしまったが、考えてみたらああいう音楽を聴いてる人がその曲を「これ気に入らないから変えよう」ってなるのはそれ自体が何だ、軽く矛盾？というか、あれはああいう機能を持った音楽なのだから気に入るとか入らないとかいう嗜好を元来差し挟めないタグイのものなんじゃないか、って思った。だからもし「この曲、ちょっと違うな」って思ったらもうアルバムごと、っていうかジャンルごと変えちゃうしかないんじゃないか。というか、僕はああいう音楽をポチポチ曲選びながら「どれも気に入らない」ってふうに聴いてる人（状況）を初めて見た。