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これからペン大。それまで2時間ほど時間が空いたので、前から書いとこうと思ってたことを書いておくと、すこし前に、幻冬舎さんから出ている『知識ゼロからの哲学入門』という本をご献本頂きました。

知識ゼロからの哲学入門

知識ゼロからの哲学入門

ありがとうございます!
で、幻冬舎さんから出ているんだけど、お送りくださったのは、こちらを制作しているアルク出版さんの担当氏ということで、本当にありがたいかぎりです。
本書の著者は竹田青嗣さん&現象学研究会の面々で、その中には知り合いもいらっしゃったりするのですが、送ってくれた方は僕が竹田先生のことを時々こことか仏革本で書いたりしていることをご存じなのだそうでした。
本の中身ですが、これはかなり僕向きのスタイルというか、デジタルな構造、テンプレ的にシンプルにフォーマット化された、見開き3つ=全6ページごとに歴史上の哲学者・思想家のエッセンスを紹介していくというもので、多くの哲学者を対象にしているにも拘らず、それに負けないほど執筆者が多いので、各執筆者が1、2人ずつの対象について書いていて文章が散漫浅薄にはまったくならず、というかはっきり言って異常に濃くてマニアック、かつ偏りがないスッキリした感じにもなっていて読みやすいです。
内容が濃い、というのは大事な部分(エッセンス)を定められたフォーマットの中で逃さずに詰めていく工程上必然的にそうならざるを得ないのだろうけど、それも含めて前述のようにそこに現れる行き届いたマニアックなデザイン(ヴィジュアルではなく構成的な意味で)に僕はすっかり打たれていて、どうしてこんなとこにこんなに力入れられるんだwwwという面白味を感じてる。
あえてというか、ちょっとだけ難を挙げると、個人的な趣味としてイラストにちょっとムラがあるかなと思った。この方向性が良い、ということもきっとあると思うんだけど、あと、中には本当に「これはいいな」と思うカットもいくつもあるんだけど、表紙をはじめあまり趣味じゃないそれもいくつかあり、でもそれはイラストレーターさんや編集側の問題というより、たぶんもうちょっと構造的な(工程とかコンセプトとか僕との相性とかの)問題なんだろうとも思う。
いずれにせよ、テキストや全体の構成や詰まった内容には驚嘆するばかりで、一つのテーマ(哲学者・思想家)に対して3つの見開きが割り当てられているとは先にも書いたけど、その各々3つめの見開きではすべて竹田先生がまとめのテキストを書いていてそれが良い。(ちなみに各見開きは「概要」→「詳細」→「まとめ(竹田テキスト)」の順番で構成・テンプレ化されている)
具体的に、ここでとり上げられている(まとめられている)人たちは、プラトンアウグスティヌス、アクィナス、デカルトホッブズスピノザ、ロック、ヒューム、ルソー、ヘーゲルマルクスニーチェソシュールベルクソンウィトゲンシュタインバタイユサルトルアレントレヴィナスレヴィ=ストロースラカンフーコーデリダ・・・など。
その他の対象人や各項目のタイトルはアルク出版さんのサイトで見れます。
http://arcpublishing.co.jp/detail.php?p_isbn=ISBN978-4-344-90124-7
ということで、御礼もかねて紹介してみました。