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 終日、書き起こし。だんだんわかってきた。この作業の本質が・・・。技術者に近づいてきてる。(気がする。)嬉しい。でもその向上に比例して(あるいは反比例なのか)、用意されているテキストが減っていく。
 ずっとただ、書き起こしだけをやっていたい。東大菊地ゼミを始めたのは2004年の10月で、それまでは起こしというのとは少し違う、そっくりもぐらさんのテキストを自分なりに補完して編集するようなものだった。と書きながら思ったが、僕が本質的に好きなのは、書き起こしでさえない、そうやって誰かがすでに仕上げたものをインポート/移送するという、無為というか、「それが何?」的な作業だった。別に居なくても良い、まあ、居ても構わない的な、そういう役割。そうなりたいのではなく、その作業をただしている。地面の石を並べ直す。積むのでも崩すのでもなく、ただ順番を入れ替える。気のすむまで、整列させている。それだけをずっと、やっていたい感じだ。でも、そうもいかない。いつまでもやっていられるほど、音源が残っていない。うまくいかない。全部が間違っているのか、全部が上手くいっているのか。今日は今季もっとも集中した。書き起こしではない、執筆についてもボーッと考えた。