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今日の正論ですが、落書きの件、ニュース見たときに「それはひでー」「退学だろふつう」とか思ったんだけど、よくよく考えてみるとそれ、「世界遺産」というトラップにまず引っかかってる。
こわいなーと思うのは、そこで「ひでー」と瞬間的に反応している自分の「見えなさ」みたいなものである。
ものすごいサディスティックに、ヒステリックに、人がなるときというのは、「ぜったい自分は悪くない」という、そんな立場に自分があると思い込んでいるときではないか。
あるいは、自分は悪くない「にもかかわらず」自分に何らかの被害が及ぶ、というような状況において、なんかもの凄い暴力衝動みたいのが出てくるのではないか。
世界遺産と昨日建った欠陥住宅と、どちらに価値があるのか、それは、人類が生きているあいだにおいてのみ創作・共有可能な物語としての、さしあたっての判断だろう。固定的な、ぜったい的な何か、素晴らしいものはこちらである、とか決まってるわけではない。
ストレスがたまってるのかな、と思う。僕がそうだ。その煽りのような報道を聞いて、え、そんなにひどいことかな、と言える余裕がほしいとも思う。
落書き礼讃ってわけではなくて、でもそんなもんじゃねえだろ日常の悪事、という話。過不足なく、その状況を精査・判断するのってけっこう大変なことなのかもしれない。スケープゴート? というのか、テイの良いストレスのはけ口に使われてしまってるような。それに乗せられたような。