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おめでとう

出版をして、その記念イベントを行って、さまざまなかたちでお祝いを言って頂いてこんなに嬉しいことはないのですが、同時に、いやちょっと待て、なんだこの、そう言われてわが事のように思いきれないこの感じは、と思っていて、くり返しますが僕はそれをすごく嬉しくありがたく思いながら伺っているのですが、ふとそれで思い出したのは、劇作家で演出家の宮沢章夫さんが時々話題に出される、かつてヤクルトスワローズの若松監督が優勝インタヴューで放ったこのひと言、
「ファンのみなさん、・・・おめでとうございます」
であり、そうだよ、これ別に僕がそんな、一番おめでたいわけじゃないんだ、と思ってたんだ、と思った。
「読者のみなさん、・・・おめでとうございます」
と、おそれながら言いたい。