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仏革後夜祭のリンクと補足

それにしても、昨日はありがとうございました。(誰に)
その後、岡田利規さんや狩生健志さんや西島大介さんのサイトでもイベントのご感想を頂いて、すごくまったく嬉しかったです。ちょっとリンクしておきます。
http://chelfitsch.exblog.jp/8667004/(岡田さん)
http://d.hatena.ne.jp/kkaarr/20080414(狩生さん)
http://www.simasima.jp/(西島さん:4月14日付)
なんとつまり、昨夜のイベントには本書にご登場されたゲストの皆様、というのは上記の方々のほか、岸野雄一さん、ばるぼらさん(ブログの方でもお知らせ頂きました)、堀江敏幸さんにもご来場頂いたのでした。会の最後の方では、元々はそのようにお願いしていたわけでも予定していたわけでもなかったのですが、急遽お願いをして皆さんに前へ出てきて頂いて(それまでは普通に客席からご覧頂いていて)、このイベントおよび本書について少なからぬコメントを、お一人お一人から頂いたのでした。これはもう、嬉しいとか面白いとかっていうレベルじゃない嬉しさと面白さでした。この場を借りて、御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
そして、事前のやり取りでは「行けたら行きます」といったお返事を頂いていて、でも今回はご都合が悪くてご参加頂くことはできなかったゲストの方々もいらっしゃったのですが、やはりというか当然にというか、本書およびその元になった仏革イベントというのはゲストの皆様がいて初めて成り立つことで、そのうえその後もそうしてお付き合い頂いて本当に感謝しています。ありがとうございます。

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昨日のイベント全体について、あとからふと、「あ、そういえば、オレが誰とか、どういう経緯でこの本に関わってきたのかとか、ほとんど言わなかったな」と思い出したり、そのほかにもいくつか補足的に思ったことはあって、でもそこから一つだけ書いておくと、第5回の志人さんのパフォーマンスを採録したテキストについて、大谷さんから

あの、「Acappella」とか分けて書く方法はいつごろ思いついたの?

といった感じの、はっきり言って作り手からしたらこの上なくジャストな、仕込みのように嬉しいご質問を頂いたのでしたが、それに答えようとする内にふと、そのテキストを作るにあたっては志人さんに多大なご協力を頂いたことをここで言っておかなくては、と思ってそれを一所懸命言っているうちに、それについては言えたんだけどそもそもの質問には結局答えられていなかった、ということに今日(4/15)気づいたので、ここで、その場で本来はこのように答えたかった、ということを書くと、

あの、「Acappella」とか「Rap」とか「sibitt」とか分けるようになったのは、最初はとにかく、何を歌っていようとそれは日本語として発せられた音である、という事実を唯一のよりどころにして、「耳に入った音をすべて拾う」っていうことに集中して作業していたので、最終的になったようなあのかたちはぜんぜん考えていなくて、(と、ここで「耳に入った音をすべて拾うだけでは意味にならない上にそもそもライミングが速くてすべて拾うことなんて出来なかったので、一回諦めた」という話題につい移ってしまい、それでいかにその後の志人さんのご尽力が大きかったか、という話をしたくなってしまい、してしまい、そして話も終わらせてしまったので、ここからが本来のつづきです)結局はやりながら思いついたというか、必然的にそうなるしかなかった、ということなんですけど、僕はそのパフォーマンスを本当に何回も聴いていたし、本当に好きになっていたから、その表現がどのように読者の人たちへ届くべきか、その最適化の方法みたいなことはずっと考えざるを得なくて、一番うつくしいかたちというか、一番理に適った届き方みたいなことを考えてたんです。で、読んでいてそのパフォーマンスの様子を想像できるのって、どういう状況かなって考えたら、その実際の様子を想像するきっかけになるようなものがあれば良いんじゃないかなって思って、それで想像をする際の「参照情報」みたいなものをこちらである程度定義しておけば、それを使って想像を進めてくれるんじゃないかと思って、だからたとえば、ここはラップですよ、とか、ここは歌ってますよ、とか、ここは、なんかもう何とも言えないですよ、とかそういう風にしたんです。それから、時間が最初から何分経ったとか、そのタイムコードを細かく入れたのも全部それと同じことで、参照できる情報をできるだけ置いておきたかったわけですよ。でも、いらない情報というのもたぶんあって、だから「タイムコードなんていらないよ」という考え方もあったと思ったんだけど、いらないかどうかっていうのは読者それぞれで違うだろうと思うし、そこはこっち(作り手)で判断することではなくて、というのは作り手の側で読者が参照できるものを制限してしまうのはおかしいと思って、ということですが、それで、こっちはタイムコードを提示することは、やろうと思えばできるわけだから、そして読者さんにはそれは、やろうと思ってもできないことだから、だから必要かどうかは読む人が判断してくれ、という感じもありつつ、あとは僕自身が、それを実作業的にたとえばストップウォッチを回しながら読むかどうかは別として、読者として読んだとしたらきっと、それ(タイムコード)が「ある」ということ自体に対して、ある種の安心というか、よりどころというか、空間性と言ってもいいような、想像力のもたれかかれる幹というかな、そういう「意味」を見出すんじゃないかと思って、それでタイムコードも入れました。だから順番的には、最初に志人さんの歌詞をぜんぶ音と映像から起こして、それに「Acappella」とか「ootani+Dj shun」といった言わばジャンル名をつけて、それからその切り替えの部分に時間を入れました。それで最後に、志人さんに全部を見てもらって、不完全な部分も修正されました。

という感じになります。
だから、志人さんに直して頂いたことがどれだけありがたく、かつ凄かったか、という話は最後に入れたら良かったのだな、と今思った。

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補足は一つ、と上では言ったのですが、もう一つ、これも昨日のイベント内で言いたかったことで、第2回のばるぼらさんからご提供頂いた資料群も本書にじつに大きな影響を与えていて、本書の編集工程において、ばるぼらさんにこの資料についてご相談したのはじつは当のイベントが終わってからだいぶ経ってからだったので、本当にご迷惑をおかけしてしまったと思うのですが、それでもお忙しいなか続々と貴重すぎる資料をご提供頂いたうえ、その上ですよ、昨日配布した特典レジュメ集のために、当時のイベントでスクリーンに大写しにして本書ではそのイメージ画を載せてある当の資料を、くり返しますけど今回のために、ばるぼらさんは作ってくださったんです。それが昨日配ったその中には入ってるんです。最初の、レジュメ紹介の時に僕もけっこう緊張していてあまり詳しくは言えなくて「これは、すごいです。本当にすごいです」としか言ってないんですけど、どんなに僕がそれに感動していたかこれでちょっとは伝わりましたでしょうか。もう、版元の編集者氏からこれが送付されてきたことを聞いたときには目の前の風景の色と温度が変わりましたからねえ。。ばるぼらさん、本当にありがとうございました。

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と、そのように書いてくると、作品のコマを本書へ転載することを許諾してくださった西島さんや、音楽機材購入史の本書用のレジュメを作成する際にテキスト校正と合わせて様々なご指導をくださったRIOW ARAIさんや、また特典の話にもどって仏革用に作成された台本資料の特典への封入をご承諾くださった岡田さんや、岸野さんや堀江さんや杉田さんや佐々木さんや、あとシャーリーのチラシ画がなかなか見つからなくて、一時はこれも「だめだ、もう」と思ったところで直々にご協力くださった冨永さん、あ、冨永さんはそれどころか本書に掲載されているシャーリーおよび『京マチ子の夜』画像の切り出しも行ってくださったのです!あれ、僕とかデザイナーさんがやったのではなくて、冨永さんに作ってもらったんですよなんと。それ、どっかでちゃんと言っておかなきゃだったなー、これから言うか。言っていくか。

大谷能生のフランス革命

大谷能生のフランス革命

ところで、本書、本書、とは言っていますが、本書とは上の本のことです。楽天ブックスさんからでも買えるようになっていたので、並べておきます(下の方)。あとさっき初めて知ったのですが、ヤフーブックスとかその他いろんなところからでも買えるようで、詳細データや概要に関するテキストが各所微妙に違っているのが興味深かったです。