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[西條剛央]アマゾンいちの

構造構成主義とは何か―次世代人間科学の原理 さいじょうたけお、と読みます。もういいか。先日、僕が勝手にはてなキーワードにもしました西條先生ですけど、その方が8ヶ月前に出版された、ご本人曰く「20代最後の夏を一切のレジャーにもいかず執筆を続け,それでも終わらず,冬休みも費やして,ようやく完成した」本『構造構成主義とは何か』が、今アマゾンの「学問・科学」部門70件中1位なのだそうです。
 氏のブログより、該当エントリー。→http://plaza.rakuten.co.jp/saijotakeo0725/diary/200511170000/
 で、ご本人としては「にわかに信じがたいので,単なる何かの手違いか,大量に買い占めている奇特な人がいるとか(略)」ということも仰っているのだが、僕には機運としてのこういうのが何となく理解できるというか腑に落ちる。一度コメントの遣り取りをさせて頂いただけで未だ著書を読んでいない僕が言うのだが、「構造構成主義サイト(http://www.geocities.jp/structural_constructivism/index.htm)」等を読んで思うのは、西條さんの提唱される構造構成主義は、決して難解なものではない。
 勿論、ディテイルには周到な論理の構築が張り巡らされ土台にはタレス以来連綿と続く知の泉がたたえられ、平明に表現する為には難解な工程を執拗に踏襲されなければならなかったろうとも思うけど、でも「実感」というか「了解」できる段階に至って、西條さんの言いたいことはかなりシンプルだと思う。そして最近こんなことを幾度となく繰り返し言っているのだけど、グワーッて「本質」みたいなことを考えていると、「あ、これかも」と気付いた気になったようなそれ、というのは、凄くふわふわしてしまっていて、テーブルによいしょと乗っけたつもりがフワァ〜ってまたどっかに行っちゃってたりする。というか忘れないではいられない。というのは言い方を変えると「日常に絡め取られて」となるのだが、ようするに非常にシンプルかつ普遍かつ大事なことほど、言葉や定義や体系化がされづらいっていう気が僕はしていて、それがこの方の仕事を通して、”もしかすると突破できるんじゃないか”という機運が、風が、吹いているような気がするのである。
 読んでいないので内容には踏み込めないけども、本書およびこの理論体系のベースのひとつになっている竹田青嗣氏の現象学の本は少し読んだのでその方向からの読み取り、予感を込めてのエントリーでした。ちなみに竹田先生は構造構成主義に対して推薦文を寄せてますね。池田清彦先生による推薦文と合わせて読まれると面白いかも。
http://www.geocities.jp/structural_constructivism/commend.htm
 さらにちなみに、ミクシィには構造構成主義のコミュニティもある。→http://mixi.jp/view_community.pl?id=247173