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 ところで今日は、昼間は時間があったのでお茶とか飲む。家の中で。雨だし、肌寒いし。
 そのとき聴いていたのは、空気公団による『くうきこうだん』。初期のベスト的内容で、本当に素晴らしい。なんにせよ初期のベスト的内容というのは素晴らしいものではあるのだけれど。
 それにしても、僕は彼らの音楽を初めて聴いたとき、自分とのあまりの違いっぷりに嫉妬さえ感じた。僕は一生この人たちみたいにはなれないなーと思った。なんか、お洒落じゃないか?こう、音が勝手に彼らの周りに寄り添っていくようだよ。下北とか似合うんじゃない?そういうことを、僕は古くはスチャダラパーとか小山田くんとかエイプ周りとかリボルバーとか、あとあれだ、スパングルコール・リリ・ラインさんとかそういった人々に対して思ったものだよ。僕は下北とか原宿で仕事したりする人たちとはきっと一生、同じ内容に対して朗らかに笑い合ったりしないだろうって思ったよ。人種が違うっていうか、中森明夫山崎春美とかを新人類って呼びたくなったっていうのは、もしかするとこんな気持だったんじゃないかって、今となっては思うよ。自分はこうはならないし、なれないなっていう、そういう気持だ。
 たとえばそんな感じで空気公団は居て、そこにあるのは荒井由実が1stに込めたのと同じ種類のマジックだ。そういうことができる人って少なくて、それで素直に僕はこのアルバムをすごいと思う。いつ聴いてもいいと思うんだよ本当。そういうのを僕はよく、風景を一瞬でガラリと塗り替える音楽と言うんだけど、じつは教授とかライヒとかドビュッシーとかナイマンの音楽に対しても僕はそういうことを思ったりします。(そういえば昨日の夜、村田兆治のドキュメント番組を見ていたら、どう考えてもバックの音楽が素晴らしいって思えて、でもそれはどっかで聴いたんだよなーと思えて仕方がなかったのだけど、しばらくしてから「あ、これマイケル・ウィンターボトムの『ひかりのまち』の音楽で流れていたマイケル・ナイマンの曲じゃんか!」と思い当たったのでした。そこまで記名性のある環境音楽って凄いなホント)
 あとはこういう風に思える音源って言ったらチボ・マットとかリトル・クリーチャーズなんだけど、そういえば最近新しいCDって買わないよな。本とかの方が欲しくなっちゃうんだけど。あ、でもそうだ、音源の貸し出しもペン大図書館でしたらいいんだ。それ最高。菊地さんの情熱とかも回したりして。それ問題?でもないか。あーそうしよそうしよ。
 ということで、ペン大生のみなさんと潜在的ペン大生の皆様は是非コンタクト取ってきて下さいよ、本当に。とりあえずは・・・こちらとか。→→http://pingouin.g.hatena.ne.jp/note103/20050924/p2