103

新しい道具を買うか買わないか考える軌跡を記す

Kindleの日本版が発表されたようで、少し関係がありそうなところに目を通したりした。
一番大きな変化は、ようするに電子版の本をAmazonジャパン経由で買えるようになった、ということだろう。

ただしデバイスというか、読む道具の方のKindleはまだ発売されておらず、早い人でも来月中盤以降に手に入る感じで、今から予約しても12月後半になるようだから、Kindleを持って読む、ということが実現するまでにはもう少しかかる。
じゃあそれまではどうするのかっていうと、まあiPhoneとかiPadとかアンドロイド端末のKindleアプリを通してそれらを読むっていうことになるんだろう。
このとき、今まで同アプリを使うためにUS版のAmazonなどからサイン・インしていた人はどうなるの、という話もあって、これはアカウント結合もできるらしいが、何もかも過不足なく統合するというわけにもいかないらしく、あまり簡単なことではないっぽい。つまり面倒。
まあ面倒っていうのはどうしてもこんな場合には避けがたいものだから、それに対して文句を言うつもりもない。便利なものが現れれば、それに適応するまでは不便なものなのだ。

ぼくはといえば、Kindleは1〜2世代前の(よくわからないが)キーボード式のやつをUSアマゾンから買って使っていたけど、最近Paper Whiteというのが出たのでそれを新たに買おうかと思っていた。数日前にiPad miniが発表されたけど、それまでは待って、もしiPadの方がイマイチだったら、USからまたそのWhiteっていうのを買おうと思っていた。思っていたけど、iPadのminiっていうのはなかなか良さそうだった。いろんなレビューを見ながら、こりゃ買うなあ、と思い、じゃあUSからPWを買うのは見送りかな、と思っていたら日本版が出るということになったので、おお、じゃあまあそんなに値段もあれじゃないし、買っておくか、と思ったのだったが、手元に届くのが11月後半というからその気も失せた。予約できる、というのは機会損失を避ける面で悪くない方法だとは思うが、それ以前の問題としてひと月近く(今からならそれ以上)も商品の到着を待たせてしまうというのはもっと避けるべきだったのではないか。
といっても、べつにAmazonジャパンを責めているわけではない。読み切れない部分もいろいろあったろうし、予約しっぱなしで年内に届けばいいや、と思っている人もいるだろうし、たんにぼくが買う気をなくしたな、というだけのことだから。

ただそれはそれとして、予約はできるけど到着は遅い、という以上に問題なのは予約が早い者勝ちで、早くその情報に気づいた人ほど先に入手できる状態になってるってことだ。当たり前のことのようだが、最近ならiPhone5とか、あるいはさらに最近のiPad miniなんかは発表から予約までに数日の間がある。だから、その間に情報を知った人は誰もが同じスタートラインに立っていると言えるし、本当に早く欲しければ、それまでに自分の予定を調整するなりして、スタートの合図と同時に予約することだってできる。
しかしAmazonのこれの場合は気づいたときにはすでにスタートの合図は終わっている。行列はとっくに長く伸びていて、その最後尾に着くか、行列に並ばないかの選択肢しかない。こういうのがいやなんだ。

なんにせよ、そんなこともあってぼくの手元にPWが到着するのがいつになるかは分からない。まずは予約をしなければならなそうだし、するかも分からないわけだから。というかこれなら、予定どおり今からUSのを買ってもその方が早いんじゃないかとすら思えてくる。たぶんそうはしないだろうけど。

それはそれとして、Kindleストアが日本でもオープンしたことはやっぱり喜ばしい。iPad miniも発表されたことだし、本当の日本の電子書籍元年は来年ってことになるのかもしれない。それもそれで喜ばしい。紙の本がなくなることはないか、なくなるとしてもけっこう先のことだろうけど、少なくとも現時点で「べつに紙じゃなくてもいい」ものはそれなりにあるだろうから、そういうのが電子デバイス経由で読める、読むのが普通になっていく、というのはやっぱりいいことだと思う。
それで思い出したが、というか前にも書いたかもしれないが、電子書籍元年的なことを言うたびにセットのようにして「でも・・! でも、紙の方がいいところいっぱいあるし!」みたいな言説がでてくるのがたいそう煩わしい。ああいうのは本当に元気がなくなるからやめてほしい。紙の本と電子デバイスで読む本とを比べるのは、カレーとラーメンのどっちがウマイかを比べるのに等しく不毛だ。吉野家の牛丼と松屋のそれを比べることには意味があるけど、それと同じことをしているつもりで別次元のものを比べてる。まあ、あと3年もすればそういうのって、愚かだったよねえ〜、紙の手触りがあ、とか紙の匂いがあ、とかゆってる人いたよねえ〜みたいな話もできるようになっているかもしれないが。(そうゆってる人自体が悪いわけではないんだけど)

本当は今一番ほしいのは新しいコンピュータの方で、MacBook ProRetinaの13インチが出たのでそれを買いたいんだけど、ほしい機能をカスタマイズしていくと予算的にきつくなるので夢に見るにとどめている。13インチのMBAが来年の夏ごろに出ると予想していたんだけど、べつに今MBPのそれを買っても個人的には全然困らない。困らないけど、予算的にきついので夢に見るにとどめている。そうこうするうちに、たぶん8掛けぐらいの値段で実際にMBAのそれが出て、それを買うってことになるんじゃないかと予想してる。これは念力とも言える、ただ自分は何もせず状況を肯定的に静観するだけのことだけど、そうなることも確率的に低くはないのでそうしている。

iMacの新しいのも出て、綺麗だね、と思うけど、以前にApple StoreでiPad3を見ていたとき(手に持って、熱いなあこれ! 買わないよこんな熱かったら! と落としそうになりながら)、後ろの方で若い女性客がスタッフに対して「前はiMac使ってたんですけど〜、首が疲れちゃって〜、だからノートにしようかなと思って」と、MBPかMBAを前に言っていて、へえiMacって首つかれんだあ、と思ったものだけど、その後 id:kanose さんが何かのときに、PDFとかを画面で見るよりプリントアウトした原稿の方がじっくり見られる理由として、紙の方が発光しないぶん目が疲れないから、ではなく、下を向いて作業した方が首への負担が少ないからではないか、というようなことを言っていて、おー、それは上記の女性のだるめの発言と一致する! と思い、なるほどiMacみたいのよりもこりゃノート型コンピュータの方が長時間それで作業する私にはいいのかもな、と思ったのでそれで新しく買うとしてもノート型かなと思っている。