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スコラ・ジャズ刊行記念トークショー@新宿タワレコ

瞬間最大風速的な意味でこれまでの時間のうちかなり忙しい部類に入る忙しさではある。下記みたいなこと書いてるからでしょっていう気もするがいやいや、それもそうだけどスケジュール的に。今日はタワレコ新宿で坂本さんと山下洋輔さんと大谷さんの三者トークというちょっと信じられない事実があり行ってきた。御三方とも、プレイヤーでありプロデューサーでもあり、という資質の方々なのでどこに支点が移っても攻めと受けを果たし合うことができていて話がぐんぐん流れ凄いな、と思った。なんか楽しくてしょうがないよな、と一瞬ぜんぶ忘れて笑った。
観覧スペースの前方にあったブロックには、同店でスコラ・ジャズを買ってくださった方々が入場されていたけど、立ち見だったので後からそのブロックに入られた方にはそれでも見づらかったかもしれない(でも御三方はけっこう高い場所におられたから案外見えたかもしれない)。前の柵に寄りかかって見られている方の様子はさながらロック・フェスのようで、よかった。トーク終了後に、坂本さんが帰りがけ、山下さんのリユニオン・リサイタル(一回しかやらないらしいので行こうぜひ。7月)のフライヤーをそんな最前列におられる方々のうちのお一人にふっと渡されたそのときがよかった。空気や音が止まるような、一方がそれを差し出して、もう一方が受け取る手を出して、フライヤーがその二つの手(と、それからさらにつながる二つの体と意識)を繋ぐか繋がないか、そして、という時間が流れた。
お金とは命に近いことだと思う。それを使ってスコラ・ジャズを買ってくださった方々に私はえこひいきをして御礼を言いたい。ありがとうございました。
そしてその場におられたそれ以外の方々は潜在的なスコラ読者とも言えて、そういう人たちが私には大切だろう。僕がもし編集ではなく読者として本書に関わっていたなら、まだ買っていない可能性の方が買っている可能性の4倍ぐらい高い。買う、買わない、という話でなくても、関心をもつか、もたないか、という話ではあるかもしれない。貴重な時間を割いてそこに居てくださったことに御礼を申し上げたい。ありがとうございました。
その場におられなかった人々は、これを書いているこの時にはまだ生まれていなくて、僕がもう死んでいる世界でこれを読んでいる人と同様に、今の作り手たちとは関わらないところでそれに興味をもつことがあるかもしれない。ビートルズのデビューライブに立ち会えなかった人たちが、立ち会えた人たちよりその関心の持ち方において劣っているということはありえない。違いはあるが優劣はない。面白そうだと思われたときには触れてみて頂ければと思う。ひとつひとつの巻というのもそうだけど、30巻のシリーズ全体の動きやあり方に対して、接して頂くことがあれば嬉しい。

コモンズ:スコラ ヴォリューム2 ヨウスケ・ヤマシタ セレクションズ・ジャズ

コモンズ:スコラ ヴォリューム2 ヨウスケ・ヤマシタ セレクションズ・ジャズ

commmons: schola vol.1 J.S. Bach Ryuichi Sakamoto selection

commmons: schola vol.1 J.S. Bach Ryuichi Sakamoto selection