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大谷さんの小説、読みました! だはは、これ面白い! そうかー、そうかー、やはり期待を裏切らない裏切り方を、さすが大谷さんはしてくれますねー。これはもう。楽しんだしまだ楽しみますよ。一般の、というか僕がふつうに「小説って、とくに大谷さんぐらいの世代の人が書くのってこういう言葉で語られていくよな」と思っているトーンというかコードみたいなものがあって、それとはズレてるんですよ。で、うわ、ってズラされるんだけど、そこで語られている言葉は、もうそこに初めからあるトーンというかコードにちゃんとのっとって進んでいるので、そのズレ方っていうのは読み手に不誠実であるがゆえのそれじゃなくて、だから「意外」だし「期待を(というか僕の想像の範疇にあるイメージを)裏切っている」のにもかかわらず、べつに読んでいて苦痛ではなくむしろ心地いいサービスになっていると。そう思いました。
本作の冒頭は『新潮』のウェブサイトでちょっとだけ読めますよ。これで「お」と思った人は今度は書店で見てみてはいかがでしょうか。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/tachiyomi/20080407_2.html
編集長・矢野さんのマンスリー・テキストでも触れられています。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/editor/20080407/
最新号の目次はこちら。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/backnumber/20080407/
しかしこれは、よくよく見てみると表紙にお名前が出てますね。あと110枚っていうと、長さ的に磯崎憲一郎さんの『肝心の子供』ぐらいだと思うんですけど、あんまり長くなくて読みやすかったです。