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 今日は後藤繁雄さんの編集スクール。すごく良かった。これまでの14回受けたなかで一番か二番によかった。編集の仕事をするならこれだけは外しちゃいけないよ、ということを、ある種の覚悟と共に言ってらしたのがすごくよかった。つまり彼は「心構え」のようなことについてだけ、延々2時間喋っていたのだが、図らずもそれを体現したような授業だったのだ。
 後藤さんの講座に関しては、僕はこれまで幾度となく「この人、スポイルされてるなー」言い換えれば「なんか、大御所あつかいされて甘やかされてんじゃないか?」とか思って、ようするにその手抜き感に勝手に随分苛立っていたのだが(最近では、ここにそういう事を書いた→http://ss13.g.hatena.ne.jp/note103/20061016/p2)、今日はすごく違っていた。いろんな要因があると思うが、事実だけ言えば、今日はきちんと、目の前の僕ら受講生に向かって語られていた、ということだ。しかしそれだけでは説明がつかないとも言えて、上にも書いたがある種の切迫感というか覚悟のようなものが緩やかに届いてきて、それがすごく真摯で素晴らしかった。話の内容がそういったことそのものであったから、ということもあるのだろうけど、後藤さんはやっぱり、出自が絵描きということもあって、そういうメタ構造みたいな、システムづくりみたいなことに繋がると一気に生きるんだな・・・とか思ったり、いろいろ面白いお話を講座の前に聞いたりもする。よしよしよし、前から思ってたけど今後はさらに頑張るぞ、とか思う。後藤さんは、なんか耳障りの良いことばかり言って受け手の気持を上げるだけ上げさせてポイ、みたいなところがあるのだが、それを生かすも殺すもやっぱり受けて次第という面はある。それがすべてとも言えなくて、まあ後藤さんの回収すべき責任というのもあるのだけれど、それを言ったらみんなそうだからどうこう言ういわれもない。