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 本日は後藤さんの編集教室@青山。3月末から始まったこの講座も今回で前期終了である。この後さらに3ヶ月行って、11月末でひとまず半年に渡るこれもひと区切りとなる予定。
 なぜだか生徒の僕は後藤さんとツートップで前に出て指揮っているのだが、今日は後藤さんのモードがアウトプット系だったように感じられたのであんまり流れを切らないように傍観モードを試してみる。直観。のつもりだったが、なんだろう、疲れてたのかな俺。いや、でもそれで良かったと思うのだが。やっぱり、後藤さんのお話を「聴ける」っていうのはこの講座のかけがえないメリットのひとつだし、聴く練習にもなるしね。でも後期はもっと喋っていこう俺。なんというか・・・ちゃんと間違えることさえ出来ない時代に生きているのだわれわれは。だからちゃんと間違えさせて欲しいと思う。今後はそれを頑張りたい。やらせてくれないなら一人でやろう。いや、一人じゃなくていいんだけど。
 という修行のような今日が終わって帰りの電車で、今日のためにスクールの直前1時間で作ったA5大32ページのダミー冊子を読み返す。これ・・・めちゃくちゃオモロイやんけ!じつはクラスで回覧してもらった時には、綴じ方を間違えて真ん中の10ページぐらいがごっそり逆さまだったのだが、後で気がついて綴じなおしたのだった。にしても、回覧中にそれを指摘する人が一人もいなかったのは、僕がそういうアヴァンギャルドなことを当たり前にやるやつと思われたからか、或いは「やっぱりバカだな」と確認されたのか・・・しかしいずれにせよ、正当に綴じたものでさえ、実際わざと逆さまにデザインしたページが2つもあったわけで、その反応が間違いだったのかといえばむしろ正しいのだが・・・。
 どんなに準備をしてみても、というより準備をするほどに、その努力は報われないって気がいつもしている。用意した資料の大半は使われないまま持ち帰られる。重いのだ。しかしこの「損」ぐあいが僕の今後やろうとしていることの真骨頂なのだとわかってもいる。堀江さんの『河岸忘日抄』にもあったではないか。

老詩人は彼の肩を抱いて、大声で笑った。よかろう、きみは正直者だな、みんなの人生に必要な男だ、要するに、これからつねに損をするやつだということだよ!


堀江敏幸著 『河岸忘日抄』p.138)

 あさっては合同ゼミ@京橋映画美学校。まったく用意できていないが、今回はもの凄く面白くなりそうな予感がかつてなくする。たぶんそれは、まったく用意していないからかもしれない。