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 大谷さんが日記をはじめたので、さっそく拝読する。淡々と進んでいるが、やはりこの方の文章には独特の厳しさと楽観がない混ぜになっていてクラクラしそう。明日用の資料として、堀江さんの著作をいくつか読んでいるが、それに似たところもある。以前、仏革に小説家を呼びたいのだが、いい人知ってる?というので宮崎誉子古川日出男(こんな話題になる前だよ)を挙げたが、その際に仰っていたのは「テキストに関してだけはえらいハードルが上がっちゃう」とのこと。つまり、ちょっとやそっとの先鋭性やクオリティでは、認められない。ということであったらしい。たしかに、年越しをいつもヘンリーミラーの『暗い春』を読みながら過ごすような人に今どきの若手小説家は食い足りないのかもしれない(具体的に誰ってわけでもないのだが)。