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 借りて観た、ヴィム・ヴェンダースの『ランド・オブ・プレンティ』では、伯父さんと姪という二人の登場人物が、それぞれぜんぜん違う考えと生き方を志向して、各自勝手にすごく頑張って自分の目指すように生きようとするのだが、同時に相手を(伯父は姪を姪は伯父を)尊敬・尊重してもいて、こういうのを結局僕も目指している。
 僕の思うように動いたり生きたり考えたりしている人が、いてもいいが実際そんな人がいたらちょっと怖いわけで、そういうことは岸野雄一さんがゲストに来た際の(昨年11月)『大谷能生フランス革命』でも質疑応答の時間で出た話だったが、『ランド・オブ・プレンティ』の特典映像監督インタヴューでヴェンダース監督が「彼らはぜんぜん違っているが、相手を尊重している」と言っていたのを聞いてそのまんま、「そうか、彼らはぜんぜん違っているが、相手を尊重しているのか」と、西研さんの『ヘーゲル・大人のなりかた』にそんなことが書いてなかったか、とか、西條剛央さんの『構造構成主義とは何か』の構造構成主義(信念対立の解消道具としての体系化された認知論)ってようするにそういうことだったような、とか思っていたところでの、昨日の革命は、そういう内容とはまったく関係なかったのだが、もしそうした僕が最近ヒリヒリするほどの最新情報として思っていたことと、昨日の革命をそれぞれ絵に描いてみたら、そこには激しく呼応する繋がりというか、似た印象が生じるんじゃないかって思っている。
 というかあれか、昨日の革命にゲストとして登場された人たちは、上に述べたような、僕が最近ヒリヒロするように考えていることを当たり前に実践しつづけて生きている人たちなのだ。だから絵にしたら呼応するのだし、革命の感想を書こうと思った時にそのような話題から書き始めたくなったのだ。