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YCAM(山口情報芸術センター)の渡邉朋也さんにインタビューをしました

めずらしくschola以外の仕事をしました。以下のインタビュー記事の執筆(取材・構成)です。

geek-out.jp

ふり返り

普段は編集の仕事をしているので、様々なテーマを専門とする執筆家の方(ライターさん)に原稿を依頼する側ですが、今回は逆に原稿を依頼されて、いろいろと新鮮な経験をしました。

実際の作業内容としては、何時間か対象者の話を聞いた後に、それを読者に向けた1本の読み物にする、という意味でほとんどこれまでやってきたこと(とくにはscholaの座談会など)と同じようなものでもありましたが、新鮮だったのは編集さんとのやり取りなどですね。

普段の編集の仕事では、ベースとなる文章はライターさんに書いてもらって、ぼくの方ではそれを商品に仕上げていくような役割を担っていますが、自分がライターになる場合はその「元になる文章」を自分で書かなければいけないわけで(当たり前ですが)、これはなかなかのプレッシャーでした。

とはいえ、上にも書きましたが、インタビューの場合には「対象者から聞く話」というのがその「元になる文章」の役割を担う面もあります。

編集者の仕事が、執筆家による原稿を「加工」する仕事なのだとすれば、インタビュー記事を作るのもまた、対象者による話を原稿に「加工」する作業なのだと言うことはできるかなと。

そう考えてみると、いわゆる書き原稿(イチから文章を書いていく仕事)にしても、定められたテーマを「加工」する仕事なのだと言えなくもないかもしれないですが。

さて、そうは言っても、インタビューということはこちらからいろいろ聞いていく必要があるわけで、この辺の準備というか、どういう質問をしていくのか? といった辺りの作業はあまり経験がないので少し悩みました。

ちなみに、ぼくが以前にインタビューをした仕事といえば、commmonsからリリースされたフレットワークという古楽アンサンブルのCDをディレクションしたときに、ブックレットに載せるための坂本龍一さんのインタビューをしたことがあって、もしかするとそれぐらいだったかもしれません。

The Silken Tent

The Silken Tent

そしてその仕事もほとんど10年ぐらい前のことで、通常はあまりやらないことなので、質問を考えたり、原稿全体のテーマや流れを考えたりするというのは、どれもイチから手探りで立ち上げていく感じで、なんというか、粘土をこねながらあーでもない、こーでもないと物作りをするような感覚でもありました。

とはいえ、さらにしかし、そういった粘土工芸のような手探り的な物の作り方というのも、考えてみれば毎回テーマがガラリと変わるscholaの編集でいつもやっていることか・・と今書きながら思いましたが。

渡邉さんについて

・・などと、あまり詳しく制作過程について書いているといつまでも終わらないので、今回取材した渡邉さん&YCAMについて。

今回インタビューした渡邉朋也さんは、YCAM(ワイカム)という、山口県山口市にあるアートセンター(美術館みたいなもの)のスタッフであり、またコンピューターなどを使った現代美術の美術家です。

実際には、そんな説明ではちょっと伝わらないぐらい多才な方ですが、今回のためにぼくが作って渡邉さんに適宜直してもらったプロフィール文があるので、以下に転載しておきます。

渡邉朋也(わたなべ・ともや)
山口情報芸術センターYCAMアーキビスト、Webディレクター。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科でメディア・アートの制作について学ぶ。卒業後は伊東豊雄建築設計事務所による同大学図書館のリニューアルに携わり、館内のオープンスペースなどの運営に従事。2010年、YCAMのスタッフに着任し、事業の記録物の制作、公式サイトの運営、広報のプロジェクト管理、委嘱作品の保存・修復などYCAMの事業全般に携わる。
個人としては在学中から美術活動を開始し、ベルリンで行われた『transmediale 2014』、仲條正義服部一成中村勇吾らと参加した『光るグラフィック展』(2014)、三菱地所アルティアム企画『みえないものとの対話』(2015)、アンスティチュ・フランセ企画『プレディクティブ・アートbot』(2017)など多数の企画展、個展で作品を発表。その他、書籍やWebメディアへの執筆、ITリテラシーの向上に関する講演など、多方面で活躍。タレントとして「オロナインH軟膏」のWeb CMシリーズ『さわる知リ100』(2015-2016)にも出演した。

前半がYCAM関連、後半がアート系の活動ですね。

最後に出てくるオロナインのCMシリーズというのはたとえば以下で、これはめっちゃ面白いのでぜひどうぞ。シリーズ全体オススメです。
shiri100.jp

それから、文章もよく書かれていて、この連載も面白かったです。
fukuchinochi.com

公式サイトも紹介しておきます。
WATANABE Tomoya / 渡邉朋也

渡邉さんは多摩美の情報デザイン学科卒とのことですが、ぼくもムサビ(の油絵学科)だったので、ベースにある思想というか、姿勢のようなものがちょっと近いかなという感じもあり、お話は非常に楽しく進めることができました。

写真を担当してくださったのは山口で活動されている谷康弘さんで、こちらも非常にノリが近くて仕事をしやすかったです。

当日は昼過ぎから館外の撮影をスタートして、その後に館内を渡邉さんに案内してもらいながら(贅沢!)いろいろお話を聞いて、最後に静かな部屋で大きなモニターを見ながらまたあれやこれやと喋っているうちに夜になってしまい、あとで録音データを見たら6時間48分回っていました。7時間!

時々、谷さんも交えて雑談タイムを挟んだり、休憩を入れたりしたせいもあるかもしれませんが、とはいえscholaの座談会でさえ長くて4時間半ぐらいだったと思うので、1回の仕事のための素材としては最長かもしれません。

これをどうやって原稿にまとめていったのか、といったことについては、また別途まとめたいと思っています。

YCAMについて

YCAMについての説明も、先の記事から引用してしまいましょう。

その頭文字を取って「YCAM(ワイカム/Yamaguchi Center for Arts and Media)」と呼ばれるこのアートセンターでは、2003年の開館以来、コンピュータやインターネットなどのメディア・テクノロジーを中心に、アート作品の制作・展示や演劇、舞踏、音楽ライブ、古今東西の話題作を厳選した映画上映、そして地域市民と共に作るワークショップなど、さまざまな文化事業が展開されています。
これまでにYCAMで制作を行ったアーティストは、坂本龍一、カールステン・ニコライ、池田亮司、三上晴子、真鍋大度など。また狂言師野村萬斎、演劇カンパニー「チェルフィッチュ」の岡田利規、コンテンポラリー・ダンサーの安藤洋子らも同地で独自の公演を行い、音楽分野ではU-zhaan鎮座DOPENESS環ROYによる実験的なライブや、人工知能のDJと人間のDJが曲をかけ合う「AIDJ vs HumanDJ」など、野心的なプロジェクトが次々と実現しています。

ということで、逆にワケわからなくなりそうですが、基本的には「芸術系のことをいろいろやってる」という感じでしょうか。

実際には、最近だとバイオテクノロジーに関わる研究&ワークショップをしたり、町のみんなと運動会をやったり、地域おこしのプロジェクトをしたりもしているので、ひと言で「芸術系」と言ってもいろいろこぼれ落ちてしまうものがあるのですが。

むしろどちらかと言うと、そういう体や人間同士のコミュニケーションを通じた活動の方が大事なのかな・・と書きながら悩み始めていますが。
とはいえ、「情報」や「文化」といったキーワードは共通してるかな・・

はい。で、そういったことを含めて、そのYCAMで渡邉さんが普段どんなことをしているのか? ということをいろいろお聞きしています。

今回の媒体は『GeekOut』という、ITエンジニア向けの転職支援サイトが運営するメディアなので、切り口としてはIT系、とくにはプログラミングやソフトウェアの活用に関わる視点が多いですが、綺麗な写真も交えつつそこそこコンパクトにまとまっていると思いますので、ご興味ありましたらぜひどうぞ。

geek-out.jp