年明けのピーズのライブに行けることになったので、その予習ということでもないのだけど、ふとYouTubeでピーズの曲を見て回っていたら(Spotifyには入っていなかったので)、関連動画とかいってトモフスキーの以下のライブ映像にぶつかった。
2曲のメドレーなので、ちょうど曲が切り替わる3:19のところからスタートするように設置してみたが、その「我に返るスキマを埋めろ」という歌の弾き語りがすごすぎて、その後ずっとこれをリピートしている。
公式のビデオクリップもとてもいい。
僕はトモフスキーって「タイクツカラ」とか「うしろむきでOK!」のような、歌詞や発想で屹立する人だとこれまで思っていて、曲もいいとは思っていたけど、こんなにロックでこんなに良いメロディ(というかコードというか)を書く人だとは思っておらず、びっくりした。
このAメロ、というかサビに入るまでのコード進行はbonobosの「THANK YOU FOR THE MUSIC」でも使われていた、いわゆる「Just the two of us進行」だろうか。延々聴き続けることができてしまう。
しかしこの曲の場合、その不滅&普遍の黄金進行をサビではなくAメロに使っているのがミソだと思う。サビではないから飽きづらい、という気がする。
すっかりハマってそのまま「カンチガイの海」とか「明日、君に会うのか」というのも続けて聴いていたが、やはり良いものだった。
じつは少し前に、このトモとピーズのハルが地元にライブに来ていたのを知っていて、行くか迷ったけど別件を優先して行かなかった、ということがあり、これらを聴いてけっこう後悔した。
彼らは千葉県出身の双子のロッカーで、たしかにというかなんというか、ぼくの小中学校の友達にまじっていてもおかしくないような近い匂いというか、雰囲気を感じる。
*
ピーズを好きになったのは14才か15才のときにまだ開局したばかりのbayfmから「そばにいたい」が流れてきたときで*1、たまたまカセットテープにエアチェックしていたから何度もそれを聴き返した。
そのままおそらく当時まだ出たばかりだった『グレイテスト・ヒッツ Vol.2』*2を近所のCD屋で買って、これもまったく何度も聴き返したものだった。
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その後、二度目のブームになったのが大学の頃に出た「底なし」のビデオクリップを見たときで、聴いた瞬間に「うわ、なんだこれ!」と衝撃を受けてそのままアルバム『どこへも帰らない』を買いに走った。
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次に出たアルバム『リハビリ中断』もすごいもので、このときは国分寺の駅ビルに入っていた新星堂だったか、そのCD屋で買って、そのままアパートへ帰るバスの中でCDウォークマンに入れて、1曲めの「線香花火大会」を聴いてまた気を失うほどのショックを受けてその弾みで前の座席を両足で蹴り上げてしまった。
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3回目のブームはもうそれから何年もして、何かの機会にたまたま「君は僕を好きかい」を耳にして、うわー、これすごいなあと思っていろいろ探したけど、ベスト盤にしか入ってないらしい、という感じだったのですでに知っている曲も多く入っていたがわざわざそれを買ったりした。
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一緒に入っていた「どっかにいこー」は知らなかったけど好きになった。
「シニタイヤツハシネ」は彼らの代表曲でその存在を知ってはいたけど、通して聴いたのはたぶんこのアルバムを買ってからで、これもまた中毒したように何度も繰り返し聴いたものだった。シンプルなつくりだけど、ボレロのように構成・展開の妙で飽きずに最後まで聴かせる。
これらを聴いたのはたぶんまだインターネットに触れていない最後の頃で、しかしその後はYouTubeで知らなかった彼らの曲を聴ける機会も増えた。
YouTubeで初めて知って好きになった曲としてはこれとかだいぶハマった。
*
大学で一番仲の良かった友人に『どこへも帰らない』や『リハビリ中断』を聴かせたら彼もハマって、その後は僕よりもリアルタイムでピーズを追いかけるようになって、いくつかCDを逆に借りたりしたものだった。
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とか、
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とか。
彼との付き合いは1996年から2005年頃までの、10年にも満たない時間だったが、僕は彼にウィーザーや中村一義やピーズを教えてやり、彼は僕にドラクエのサントラやたまやポール・サイモンを教えてくれたものだった。
カセットテープに好きな曲を詰め込んで、交換したこともあった。ああいうの、今だったらどうやればいいのだろう? やり方がわからない。
YouTubeのリンクをリストにするのか? いや、そうではないだろう。
46分や60分や90分のカセットテープのA・B面に、自分で構成した大好きな曲たちを順番に入れていく。それがそのまま友人の家でプレイされ、一緒に聴くこともあれば、後日その感想を伝え合うこともあった。
CDラジカセはなくなってしまった。カセットやMDのような共通の空メディアもなくなった。
ぼくらは今ならどうやってオリジナル・テープを作り、交換できるのだろう?
わからないな。
14才の春先にFMラジオから流れてきて好きになった彼らを、41才の真冬に初めて直接観に行ける。
楽しみだが、少し怖い気もする。