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世界文学を読みほどく (新潮選書) 今日はですね、京橋のフォトグラフィックギャラリー、PUNCTUMへ行って、代表の寺本さんといろいろお話させて頂いて(すごく面白かった)、帰り際に来週から同廊にて個展をスタートする写真家の小山泰介さんとすれ違いつつご挨拶して、新聞スタイルのフリーペーパーが出たばっかりだったので(これ)4部ゲットしてそのまま美学校へ行ったのだがアポなしだったので誰もいなくて、フライヤーコーナーで物色してから銀座線で青山一丁目、大谷能生さんのマンスリーレクチャーを開催している旅の本屋さん「BOOK246」で、今月末にある第4回レクチャーの予約をカウンターで直接して、ここでも「ウェブのエスカイア見ました?」「見ました」「ようやく載ってよかった」「ですね。これで次回からはエスカイアな人が来るかも」「でもテーマはマルコムXだから」「あ、じゃあマルコムな人が」「かどうかはわからないけど」「Xな人が」「Xな人が・・・」とか雑談(としか言いようがない)をして大江戸線、ペン大yamatoさんの立ち上げたオフィスへ行って現在かなり力を入れてやっている主要な作業のうちの一つについて濃密な打合せ。じりじりとした雰囲気を経由しつつ、すごくいい感じに山水が流れてきたって風な良いミーティングであったという主観。その後、yamatoさんに「せっかく来たからこれ見てってもらおうかな」と紹介されたのがギターシンセというもので、名前のシンプルさからは想像もつかない超面白メディアで、なんだこれ、知ってる人は普通に知ってるみたいだが僕は初めて見ました聴きました。合同ゼミにいらしてる方はちょっとは想像つくかもしれないですが、横でyamatoさんが「ほら、こうやるとこんな感じで・・・」とか、実演しては解説が入るという状態でこれは何体験と名付けたらよいのか、すごく面白かったです。ふーむ。で、帰りの電車に乗る前に、駅前の本屋でふと手に取った佐藤亜紀著『小説のストラテジー』、先日平野さんに関するエントリーも書きましたが、そう、そっちのあれでもお馴染みの佐藤さん、僕はバルタザールを含め数編は小説も読んだことがあるのですがとくに知ってるというのでもなくて、でもこの本は、なんだ、「超面白い!」とかでは必ずしもないのだが比類ない何か、自分との断ち切りようのない繋がりというか吸引力のようなものを感じてしまって手から離れない、というか一回棚にしまったのだが頭から離れないのでやっぱり買って帰りの車中でずっと読んでいる。買うその基準というのはなぜなら、「以後それを読みつづけるかどうかはわからない、自分の未来に役立つかどうかもわからない、でも、いま電車で読むのにこの本は、少なくとも適している」と思えるかどうかであったからで、実際なんだ、空のコップに水差しからどくどくとクリアの水をたっぷり注ぐように楽しく深く読みつづけることが出来てよかった。ちなみにこの本は講義録の体をとっていて、講義録といえばアルバートアイラーだろ、と思う方もおられるだろうと思うが、この時(電車で)僕がすんなり思い出したのは池澤夏樹さんの『世界文学を読みほどく』だった。それは確か、京大でやった講義の書籍化だったか、フランス革命の第一回の註釈で何度か引用しているのでよかったら見たってください。
http://www.geocities.jp/television2nd/yor1-1.htm