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誰かのための手紙の本

手伝っているボランティア関連の2冊目の本が出る。これも校正を少しだけ手伝った。
http://astore.amazon.co.jp/fumbaro01-22/detail/4479392262
※リンク先の書影はひとつ前のヴァージョンのはずなのでこの記事では書影を出さない。

これは代表の人が書いた本、とかではなく活動の一部をフィーチャーしたような内容だ。具体的にはボランティアが被災地の人にあてた「手紙」とそこから来た「手紙」を載せてる感じ。本の最初と最後にたしか西條さんの文章もある。いろいろあってあまり覚えていないが。

「感動作」とか「涙なしには」とかいう売り文句も出てくるかもしれないし間違ってはいないだろうけど、これは『アンダーグラウンド』とか『約束された場所で』などで村上春樹さんがやったことに近いとぼくは思っている。エンターテインメントではない、作るのは大変だが誰かがやらないと、というか作れば誰かの役に立つ、そういうものだと思われる。清掃員や町の医者。出される薬は効く人もいれば効かない人もいるが、誰かが処方しなくちゃいけない。

ぼくは昔、一番の友達が死んでしまったときに世界で一番悲しい話を聞きたいと思った。あまりにも苦しくてそこから逃げたい、などと思う時間はトータルで30分ぐらいだったかもしれないがそのときはそれを求めた。深度の高いもの同士でしか生まれない作用というものがあるかもしれない。

これはどこまでも「周りからの目」を気にする気持ちを捨てた上に立っている本という気がする。だから射程は広く遠い。誰もが求めるものではないかもしれないし、誰にでも受け入れられるものでもないかもしれないが意義は深い。ある程度は読みやすく作ってあるから曖昧な部分もあるかもしれないが、類するものはそれほど多くはないとも思う。そのようなものを求めているひとがいたらこの存在を覚えておいてもらうといいかもしれない。

ところで、これが発売されたすぐ後の3/11に恵比寿でこのボランティアの人たち主催のイベントがあって大貫妙子さんも歌われるようです。まだチケットもあるそうなので興味があって時間の都合がつく方はぜひどうぞ。
http://wallpaper.fumbaro.org/en_kizuna