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久しぶりに、なんだか1行では終わらないことを書いてみるけど、今日はジュンク堂新宿店さんに(またか)行って、宮沢章夫さんと高橋洋二さんのトークショーを見てきた。宮沢さんを間近で見るのは先日の、池袋での冨永昌敬さんとの、冨永さんの映画のアフタートーク以来でそんなに経っていない。
え、宮沢さんがジュンクで話すのか、ということはあのスペースで、か、じゃあ早めにいけば近くで話を聞けるじゃないか、と思って、今日はしかし夕方から重要な打ち合せがあったので、ダメじゃん、と思ってはいたけど「万が一」のこともあるだろうからと思って、ほんとにだめならそれがわかった時点で(つまり打ち合せの何時間前とかに)ジュンクさんにキャンセルを申し出よう、と思って「予約するだけする」をしたのがナイス判断で、打ち合せはそのやはり数時間前に明日に延期され、それでだから行ってこれた。行ってみると、開場前であったにもかかわらず余裕で10人を越える人が入場待ちの行列を作っており、しかし「日本人はシャイだから」(ほんとか)大抵、こういうときは最前列のさらに演者の正面には座らないものであり、このぐらいの順番でもそこは空いているだろう、大体「ななめの感じ」のところから埋まっていくんだよな、と思っていたら最前列のど真ん中から綺麗な放射状に席が埋まっていくのでわらった。
内容についてはとくに書かないが(いつものように、時間も体力もないから)、今回のトークの主役であった高橋さんの新刊を、トークの前に買って(なにしろ表紙が和田誠さんだったしひと目でわかる)数分読んだだけで「これ帰りの電車では読めない」という面白さで、放送作家でありライターであり、という高橋さんのお仕事を、いまや雑誌もTVもラジオもほとんど触れない生活をすごしている僕も十分知っていた。終わって、サインをいただくときに(ちなみにサインをもらえるとは思わずに購入したのでそれも喜んだ)「10点さしあげる、読んでました」と言えてそれがよかった。
それ以外にもいろいろあったが割愛。時間も体力もないし、またいまから異様に重いタスクを3件、明日の午後1時までにだましだまし進め場合によってはやり遂げなければならない(でもそれは無理だと思う一人の人間的な意味で)。
しかしなにしろ、今日は僕の一番大きな日だった。ビッグ・デイだった。エクストリーム・ヒュージ・デイだった。いまでも鮮明に体が憶えているのは、高校3年の受験を控えたある夕方のいい時間帯に、文庫で買ったツルツルの表面をした、しりあがり寿さんが書いた表紙による『彼岸からの言葉』をうつぶせになったり仰向けになったりの姿勢で読みながら、あまりにうけて腹筋が限界を越えて痛くなり、もはや本の内容から一旦離れて「この痛みはマズイ、どうしたら治るんだ、他の人はこんなとき一体どうしているんだ?」と真剣に不安にというか怖くすらなったことで、それから大学へ入り、まだまだ何もするあてのない(それが実際その後何年もつづいた)ときにふと手にした『スチャダラ2010』(白水社)を何度も何度も「おもしろい」「かっこいい」「おもしろい」(「うらやましい」)「かっこいい」「おもしろい」と思っていた、いまでもすぐに手に取れるところにあるその白くて青くて赤い(カヴァー、帯、文字)それのことだ。