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 春の夜に水を飲むと君は・・・

世にも美しいダイエット
6) ほんの2年くらい前まで、最近の友人にはちょっと信じられないかもしれないけれど僕は肥満を気にする青年で、生まれてからそれまで一度もお腹の肉が”段にならないことがなかった”のですが、村上春樹センセのエッセイか何かで宮本さんのそのダイエット本の名前を知って読んで以来、無茶にストイックなその内容を信奉しては実行していました。
 一日5リットルの水を飲む。というのはいくつかあるそれら「無茶」の内のひとつに過ぎなくて、聞いているだけでも気持良くなる程に、また宗教的なまでに魅力的かつ極端なそのダイエット本の中には、僕が未だに尊敬と愛着を捧げる高山なおみさんがkuukuuのシェフ時代に考案した料理なども載っていて、良くも悪くも今の自分に大きな影響を与えているなーとも思うのですが、じつを言えば僕が本当にきちんと痩せて理想の体重・体型になり始めたのはその無茶なダイエットを”止めてから”で、とはいえそこへ至るための避ける事の出来ない中継地点であり起爆剤としてそのダイエット法はあったと思っています。
精解サブカルチャー講義
7) ちなみにその宮本式ダイエットをやめるきっかけになったのは、卒業後もなんとなく通うのが習慣だった大学の図書館で手にした阿部嘉昭の『精解サブカルチャー講義』で、その中で著者は宮本さんのことをあたかも新興宗教の極悪教祖相手のようにメタメタに斬っているわけですが、僕は多少クールダウンしていたとはいえまだ妄信中といえばそうでしたから、これはかなりのショックでした。よりかかっていたものが倒れる、という思いがけない目にあって、数日は本当にこの事しか考えられなかった。
 今にして思えば阿部さんのその本をそのタイミングで読んでおいてよかった、とも思うのですが、かと言って阿部さん自身を今どう思っているかというとそれも微妙なもので、とまれ、宮本式ダイエットを経験しておいて良いこともあったかもな、とそう思っているという事を、図らずもこの「水2リットル」のトピックで思い出した春の夜でした。

8) というこのエントリー、後者の2冊は「はまぞう」経由でリンクしているのですが、これじゃあんまり「ブクログ」経由と変らないというか、「ブクログ」の特色が出てないですね・・・。やっぱり画像だけだとね・・・。まあおいおいで。