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連載:「編集者が選ぶ本フェア@ジュンク堂書店池袋店」紹介(2)

おつかれさまです。前回の記事はこちらです。
http://d.hatena.ne.jp/note103/20130725/1374721929

まず訂正から。前回のブログ記事を書いたときには、フェアは「8/5頃から」と書いたのですが、少し遅れて8/10からということになったそうです。とくに悪影響を受ける方はおられない気もしますが、もしおられたら申し訳ありません。
終了時期ですが、まる1ヶ月後の9/10頃まではやる予定とのことでした。(しかし上記の経験を生かすと「だいたい」で考えてもらうのがよいと思います)

つぎに追加情報。前回の記事を書いたときには予想だにしていなかったんですが、それを書いた翌日に松ちゃんから連絡がありまして、このフェアを記念したトークイベントをやることになりました。
8/15(木)の夜です。
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=1908

以下、情報転載。

「編集者が選ぶ本フェア・いま・何を読むべき時代にきているのか―」開催記念
『編集者にとって、本とは』
ジュンク堂書店 池袋本店
開催日時:2013年08月15日(木)19:30 〜

鈴木茂(アルテスパブリッシング・代表)
大久保潤(メディア総合研究所・編集)
門松宏明(commmons: scholaシリーズ・編集)

写真が多めの音楽雑誌や美術画集を買う層が高齢化し、若い人が本を買わなくなって久しいと言われる近年。批評に重点を置いたカルチャー雑誌、もしくは書籍がここ数年力をつけているように見受けられます。編集者は近年、どのような本に魅かれ、それをもとに雑誌や書籍を作っているのか? 複数の編集者に魅力的な書籍についてたずねる事は、編集と書店をつなぐ試みでもあり、また、作り手と読者をつなぐ試みともなるのではないでしょうか。今夏、9階芸術書ではカルチャー系書籍を多く手掛ける、13名の伝説の編集者達による選書フェアを開催。併せてトークイベントでは3名の編集者による赤裸々対談を行います。

【講師紹介】
鈴木茂●プロフィール  1960年生まれ。アルテスパブリッシング代表取締役音楽之友社を経て、2007年4月アルテスパブリッシングを設立。第30回サントリー学芸賞、第18回吉田秀和賞をダブル受賞した片山杜秀著『音盤考現学』、同『音盤博物誌』や、『文化系のためのヒップホップ入門』などコンスタントにヒット作を生み、アルテスパブリッシングは音楽ファンにとって「常に動向を見逃すことができない出版社」となっている。2011年には音楽言論誌『アルテス』を刊行。秋には電子版の刊行を予定している。同社では企画・編集のほか流通・営業・販促・経営を担当。

大久保潤●プロフィール 1975年生まれ。メディア総合研究所編集者。音楽を中心としたカルチャー系の書籍を担当。ゼロ年代におけるジャズ書籍の鉄板書となった菊地成孔大谷能生東京大学アルバート・アイラー』シリーズ、ニューヨーク・パンクの赤裸々な証言を集めた『プリーズ・キル・ミー』、80年代ハードコアについての詳細なドキュメント『アメリカン・ハードコア』など、音楽が引き起こしたムーヴメントについての魅力的な本を多数手掛ける。今夏より音楽書をめぐるトークイベントシリーズを開始予定。スペースロックバンド「Galaxy Express 666」、スカムパンクバンド「大甲子園」、即興ドゥームロックバンド「Filth」等のギター担当でもある。

門松宏明●プロフィール 1975年生まれ。2004年の東京大学における菊地成孔大谷能生によるジャズ講義の書籍化(『東京大学アルバート・アイラー ―東大ジャズ講義録』)に際して文字起こし等で協力。その後、渋谷のアップリンク・ファクトリーで行われたイベント「大谷能生フランス革命」において記録を担当。その軌跡は『大谷能生フランス革命』(以文社)という1冊の書籍となり華麗な再構成を遂げた。近年は坂本龍一監修の音楽全集「commmons: schola」シリーズにおいて編集を担当。同シリーズの音楽歴史年表にも見られるような、緻密でありながらもどこか遊び心の残る書籍編集や文章にファンも多い。

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111) 
■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5

だそうです。
ちなみに、上記のグルーヴに満ちた概要文&プロフィールはジュンク堂書店池袋店本件担当スタッフ松ちゃんの筆によるものですが、彼女のこうした一見なげやりでよく言えば刹那的な文章の数々はジュンク堂丸善が作った無料の美術書カタログ「デフラグ(defrag)」で多数読めますので、気になった方は以下の紹介記事をご参照のうえぜひget&readしてみてください。
http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20130515/E1368562461959.html
http://matome.naver.jp/odai/2136909848964013801

余談の余談:いま上記のリンク先見て気づいたけど、後者のNAVERまとめの方では『大谷能生フランス革命』も紹介されてた(これがまさに松ちゃんの推薦文)。嬉しい! 松ちゃん&まとめ主さん、ありがとうございます!
http://matome.naver.jp/odai/2136909848964013801?page=2

***

さて話を戻すと、上記のトークイベントを予想だにしていなかった、とは書きましたが提案自体はその結構前に一度していて、でも会場の喫茶フロアが使えない、開催予定のイベントが埋まっているので無理〜、と言われていたんですよね。だから余計に予想外だったのですが、急遽そこ空いたからやりましょうか、ということになりました。

僕としては、こんなにたくさんの編集者や出版社が同じ企画に参加することなんてそうそうないんだから、みんなが顔合わせできる機会つくろうよ、ぐらいの案ではあって、だからみんなで喋れる形式がいいんじゃないの、と言ったのですが「いやマイク3本しかないんで」ということで、ぼくを含む3名がひとまず登壇させて頂くことになりました(講師と書いてあるけど講師ではないな)。

トークのお相手(というか)は、ぼくと一緒に本イベントの発起(思いつき&提案)人になってくれましたメディア総合研究所の大久保さん、それから飛ぶ鳥を落とす勢いとはこの出版社のためにあると言いたいぼくらのアルテスパブリッシングの代表・鈴木さんです。
大久保さんはじつは僕がこういう出版・編集的な世界を垣間見た最初期に関わった編集者さんでもあるんだけど、まともに喋ったことって一度もない気がするので、ようやく普通にお話しできる良い機会ではないか、と個人的に喜んでいるところです。
鈴木さんは名実ともに大先輩にあたる方で、本来気軽にトークしたりできないはずな気もするのですが、schola関連では幾度となく不躾なお願いをさせて頂きその都度あたたかいご対応を頂いてもおりまして、その流れで今回も遠慮しすぎず胸をお借りできればと思っております。

ちなみに大久保さんがお勤めのメディア総合研究所の出版部サイトはこれ。
http://mediasoken-publish.net/
そして大久保さんの歴史ある個人サイトはこれ。
http://www.noiznoiznoiz.com/
あと、大久保さんとぼくが最初に編集的な何かのやり取りをしたのはこの本ですが、

東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編

東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編

個人的には今同社から出てるのだとこれと、
プリーズ・キル・ミー (Garageland Jam Books)

プリーズ・キル・ミー (Garageland Jam Books)

これが面白そうだなあと思っています。(くれと言う意味ではない)
女子とニューヨーク

女子とニューヨーク

鈴木さんが同じく代表の木村さんと運営されているアルテスパブリッシングのサイトはこちら。
http://www.artespublishing.com/
アルテスさんは月イチで送られてくるメルマガ、シンプル&小気味良くてお勧めです。
http://www.artespublishing.com/melmagamore.html
今回のトークイベントの件も7/26ぐらいから一気に浮かび上がって29日ぐらいで告知内容が半ば確定したんだけど、30日発行のメルマガにもう反映されてて驚いたなあ。

あと、アルテスさんはそれほど歴史が長いわけでもないんだけど(といっても2007年設立ですか)、ぼくは刊行物かなり買ってますね・・10冊ぐらいは持ってるんじゃないかな。いやもっとか? イベントの前に数えておくか・・そういえば『季刊アルテス』っていう雑誌も4号まで出ているのを読んでいますが、これがまた異様といえる内容の濃さ。いろんな書籍をコンスタントに出版しながらこれも作るって意味がわからないレベル(笑)。その辺についてもお聞き・・するかはわかりませんが、上記のとおり鈴木さんにも大変お世話になりながらきちんとお話しさせて頂く機会が無かったので、ちょうど良かったなあと思っております。
ちなみにアルテスの近刊だと、話題作はこれですかね。

ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた

ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた

ぼくが持ってるなかで面白かったなあ、と思ったのはこれで、
オーケストラは未来をつくる マイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団の挑戦

オーケストラは未来をつくる マイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団の挑戦

これから読もうかと思ってるのはこれです。(くれというアピールではありません・再)
神楽と出会う本

神楽と出会う本

今回は本当は前回の記事からの続きで、選書NGリスト(流通上の都合で入荷できないため選書から外した本)の紹介をしようと思っていましたがもう長いので次回以降にまた持ち越し。

それよりも、上のイベント概要のところに「13名の伝説の編集者達による選書フェア」とありますが、この伝説の13名が誰なのか、たぶん松ちゃん以外に知ってる人ってほぼ皆無(選書メンバーですら)だと思うので以下にラフに記しておきます。(このためにわざわざ聞き出した)
これを見て興味をもった方はフェアもトークもよろしければぜひいらしてください。できれば選書メンバーの方はイベントにも来て頂いて、なんでそれを選んだのか、とか熱く語ってほしいなあ〜マイク渡すので。(で、その後懇親会やりましょう)

フェア参加者様一覧(順不同)

●出版社
・アルテスパブリッシング
http://www.artespublishing.com/
・メディア総合研究所
http://mediasoken-publish.net/
・フィルムアート社
http://filmart.co.jp/
・パイ インターナショナル
http://www.piebooks.com/
・DU BOOKS
http://diskunion.net/dubooks/
本の雑誌社
http://www.webdoku.jp/honzatsu/

●雑誌・書籍
エレキング
http://www.ele-king.net/
・neoneo
http://webneo.org/
・なんとなく、クリティック
http://nancri.phpapps.jp/

あれ、13項目もないじゃないか、と思われるかもしれませんが、1社(または1媒体)につき複数人の編集者さんにご参加頂いているケースがあったり、あと各人の事情に鑑みて個人名は出していませんので、具体的に何社の誰さんが選書しているのか、ということを知りたい方はぜひとも現場でご確認ください。まあ、ぼくみたいに個人単位で発信している方も他におられるかもしれませんが。

次回はできれば1週間後ぐらいに、トークイベントで話したいことや余裕があればNG選書の紹介などもしたいと思いますがまた変わるかもしれません。