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ヴェルク株式会社に入社しました

2018年11月1日、ヴェルク株式会社(Velc Inc.)に入社しました。

www.velc.co.jp

会社と職種の概要

ヴェルクは日本武道館から程近い、東京は九段下に居を構える小規模なIT企業です。

事業内容はいろいろありますが、簡単に言うと、

ヴェルクは、システム開発・データ分析等の受託開発と
業務・経営管理システム「board」を提供している会社です

ということになります。(上記コーポレートサイトより)

こちらの会社でぼくが何をやるのかと言うと、上にも出てきました自社サービス「board」のカスタマーサポート、いわゆるCSです。

the-board.jp

IT企業で、それもCSなんて言うと、今までやってきたこととあまりにも違うようで、これまで積み上げてきたものはどうするの? みたいな反応をもらうこともあるのですが、ぼくは美大の油絵科に2浪で入って、卒業してからはペンキ塗りをしたり、レストランで皿洗いをしたり、かと思えば20代の最後に突然菊地成孔さんの私塾(ペンギン音楽大学)に通い始めたり(それも音楽理論! 転調という概念すら知らなかったのに)、かと思えば後藤繁雄さんの編集スクールに通い始めたり(ペン大に入った翌年)。つまり、メチャクチャ。

坂本龍一さんの音楽全集企画「commmons: schola(コモンズ・スコラ)」に後藤さんから呼ばれて参加したのは、32才の真冬でした。それから退任までの10年間にもさまざまな「メチャクチャ」を体験してきましたが、でもぼくにとってはそれが一番自然というか、導かれるように興味のある道を選んできた結果で、ヴェルクに入ったのもそういう意味では一貫しているんじゃないかなと思っています。

ヴェルクを知ったきっかけ

ぼくがヴェルクを知ったのは、時雨堂という会社を経営している @voluntas さんのTwitterで、たびたびヴェルクや社長の田向さんが言及されていたからでした。

ぼくは以前から @voluntas さんのツイートや文章(とくに「時雨堂コトハジメ」などのGist上のドキュメント)が好きでよく読んでいて、面白いなあ、尊敬するなあと思っていましたが、その @voluntas さんのツイートでヴェルクやそのサービス「board」が肯定的に言われることがあって、それでその会社やサービスを知るようになりました。

ちなみに、その @voluntas さんを知ったのは、こちらもぼくが尊敬する編集者の鹿野桂一郎さんTwitterでよく @voluntas さんとやり取りをしていたからで、だからぼくの中では「鹿野さん→ @voluntas さん→田向さん」という順番で、「この人は信頼できそうだ」という信頼の連鎖が繋がっていった感覚があります。

応募に至った経緯

そのようにして知ったヴェルクでしたが、もちろん初めから自分がそこに入社するなんて思っていたわけではありません。

上記のような理由で、ぼくがヴェルクや田向さんの情報を目にするのはTwitterが大半でしたが、当初から田向さんのツイートには共感するところが多くて、「こんなに離れた世界に住んでいるのに、考えていることはずいぶん近くて面白いなあ」と思っていました。

しかし7月のある日、田向さんの以下のツイートを見たときに、その「こんなに離れた世界」という距離感が一気に縮まったと思います。

この中の、とくに以下の部分。

限られた情報からユーザさんの状況ややりたいことを推測・理解して、業務に合わせて適切に説明できる

これって、ぼくがいつも編集の仕事をしているときに、著者さんや制作メンバー(坂本さんや小沼純一さんや浅田彰さんなど)に対して何をどう説明するか、というところでいつも考えていることに近いんですよね。

相手が何を思ってその発言に至ったのか、表に出てくる言葉は確かに動かぬ事実としてそこにあるんだけど、その言葉が「本当に発言者が思っていること」なのかっていうと、まあヒントにはなるんだけど、そのまま受け取ると壮大な誤解に陥ってしまうこともあったりして。

言葉のとおりに解釈しても、相手が思っていることと違えば仕事に支障をきたすわけで、「だって相手がそう言ったんだもん(だから俺は悪くない)」なんて言っても誰もトクしないので、だからリソースはもの凄く使うけど、「相手が何を思ってそれを言っているのか」を全力で想像しながら、対談記事の言い回しをこちらで調整したり、込み入ったメールを書いたり、それを何度も繰り返して物を完成させていく、というのが思えば10年間ずっとぼくがやってきたことでした。

なので、上記の田向さんのツイートを見て、「これ、ぼくでも出来るかもなあ……」と思ったのは、ぼくにとってはけっこう自然だったというか。

そしてその後、以下のツイートを見て、

へえ、また地味なページをしっかりメンテナンスしてて偉いなあ〜……って、そのときは上記のCSの話は一旦忘れていたんだけど(2週間ぐらい経っていたので)、エンジニアの募集ページってどうなってるのかな、と興味を持って見にいった先でCSの募集ページもあることに気づいて、「あ、例の件」と思い出して、それから程なくして応募に至った、という次第でした。

入社後1週間の感想

冒頭に書いたとおり、入社したのは今月1日ですが、実際には入社以前に請けていた編集仕事がまだ残っているので、現在は出社日を少なめにして、編集仕事との掛け持ちをしています。

そのように、並行稼動ながらも1週間出社して思ったのは、とにかく何から何まで新鮮、そして最高だな、ということです。田向さんはもちろんのこと、他の社員さんも皆イイ感じです。若い人が多くて、もしかするとぼくが最年長かも? と思うほどです。

ぼくは以前から、自分より若い人との仕事の相性が良かったので、会社でもその雰囲気を感じるというか、気楽というか、根拠のない理不尽な誰かのマイルールに振り回されるようなことも少なそうで、いわゆる心理的安全を感じているところです。

そして、そのような中で切実に思うのは、「今をピークにしたくないな」ということです。何しろ会社に応募して、採用されたばかりの頃というのは、喩えて言うなら恋愛結婚の直後のようなもので、お互いに相手の良いところや期待するところしか見えていないというか、逆に言うと、そこから先は減点方式みたいにならざるを得ないのではないか、みたいに思ってしまうんですが、一方で我々は、まだ知り合って間もないお見合い結婚のようなところもあるので、お互いの「今まで知らなかった良いところ」を見つけ合って、1年後には今以上に相手を信頼できているような、そんな関係を作っていけたらいいなと思っています。

編集的な仕事

同社では、ぼくが今までに培った経験を生かして、会社に関わるドキュメント類の整備・洗練などもやっていく予定です。わかりやすいところだと、boardのヘルプとか、その他のサイト上の文言とか。

ぼくはこういう、アイロンでシャツのしわを伸ばすような、地味だけど精神が上向くような作業が非常に好きで、かつこれまで本業としてやってきたことでもあるので、こういった部分で貢献できるのは嬉しいことです。

考えてみると、今まではそういう作業のメソッドだったり、考え方みたいなことを他人に伝える機会ってほとんどなかったので、その辺でどういう作用が生じるのか、今から楽しみです。

それから、これまで個人でやってきた編集やライティングなどの受注仕事ですが、上記の仕事がある程度落ち着いてきたら、ヴェルクの方に影響を与えない範囲で、部分的に再開することもあるかもしれません。

やっぱり世界で活躍するクリエイティブな人たちとの仕事というのはかけがえのないもので、そういう機会が自分の存在全体を塗り変えてしまうような面白さを持っているのも確かなので、今後の巡り合わせによっては、またそういうこともするかもしれないな、と。

あとは、ぼくがCSをやるそのboardというサービスは、見積書や請求書などをクラウドで作成&送付したり、売上分析をしたりできるものなので(一瞬宣伝でした)、自分が一人のユーザーとしてそれを使うことで、いわゆるドッグフーディングというか、開発陣に対してリアルなフィードバックをしたり、自分がお客さんに回答するときの助けになったりするんじゃないかな、という目論見も少しあります。

とはいえ、その辺はまだ先の話で、まずはboardのCSに集中することになると思います。非常に奥深く、なかなか一筋縄ではいかない、有機的で、即興的で、これはこれでまたクリエイティブな、やり甲斐のある仕事だと思います。

終わりに

ということで、前回の退任エントリーに続いて、入社エントリーを書きました。

こういうとき、エンジニアの人だとAmazonウィッシュリストを記事の最後に置いておいて、仲間や知り合いからお祝いを募ることがあるようですが、入社エントリーというのは、まだこれからどうなるのかまったく保証できない状態とも言えますから、この段階でお祝いを募るのはちょっと気が引けるな……と勝手に心配していました。

よって、もし1年後に、まだイイ感じで会社づとめを続けていられたら、その時にまた報告エントリーを書いて、そこにウィッシュリストを置いてみようかなと思っています。その時には、ぜひ何か良いものを買ってお祝いしてください(笑)。

あらためまして、これまでお世話になった皆さん、ありがとうございました。
そしてこれからお会いする皆さん、よろしくお願いします。