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下へ、下へ

  • ワイドショーなどをたまに目にすると、違法駐輪をする人とか、不法投棄をする人とか、万引きをする人などを追いかけて、「こんなひどいことをする人もいるんですねえ〜」という論調で見下したり、責めたり、あるいはその報いを受けているところを見せて溜飲を下げたりしている状況があるのだけど、それはたぶん以下に書いたような、
  • 人間の価値をソートする - 103
  • 自分よりも下のものを見つけて(作って)、そのぶん自分が「上」に立ったような気になれるから、成立しているのだと思っている。
  • わざわざワイドショーなどを見ない人であっても、ネットのニュース記事などで、愚かなことをしたとされる人を見て、あれは良くないとかそれはダメだとか言うことはあると思われ、やっていることは似たようなものだと思っている。
  • 「自分より下」だと思えるものを探し続けてしまうと、それまで本来の仕事としてやってきた、「自分のやりたいことをやる」ということができなくなる。それは何だか、それまでのぼってきた山を下山していくことに似ている。
  • 下へくだれば、たしかに目当ての「自分より下」のものは見つかるだろうし、そのつど「自分はこれよりはマシだ」と思えるかもしれないが、実際に自分の立つ場所もどんどん下がっていってしまう。
  • 「自分はまだ下のほうにいる」と思いながら、先人の後ろ姿を見ながら上へ、上へのぼっていくつらさのほうを選択したい。