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方法を作る方法

英会話産業とダイエット産業、どちらも方法は簡単、実行は困難、という点が似ていると感じる。
エベレストどうやったら登頂できる? と聞かれて「登ればいいんだよ」みたいな・・。

もっと具体的に、どこに住む何歳の男性で普段どんな仕事をしていて、といった背景込みで登頂までにしなければならないこと、とかを考えていけば、その実行は多少しやすくなるだろうけど、逆に言うとそのような個別対応がなければ結局のところ達成は難しいというか。

たとえば英語習得で基礎と応用の二段階があると設定すると、その基礎の方はまだ一般化できるというか、量産的に不特定多数に共通する要素を抽出することはできるかもしれないと思うが、応用編に進むにつれてそれも適わなくなりそう。

方法というのは道具に似ていて、実行する人間の背景によって向き不向きというか、合う合わないがあるように思われる。
Aさんに合ってる方法がBさんには合わない、というような。

だから、Aさんが「この本良かったよ、オススメ!」というのも大体その辺のことを差し引いて考えた方が幸せになれそう。

道具の話を考えるときには絵筆がよく頭に浮かぶ。
体の大きなAさんにぴったりの筆と、体の小さなBさんにぴったりの絵筆が同じであるはずがない。Aさんが「この筆すごくイイよ、オススメ」と言ったからといって、背景の違うBさんがそれを真に受けることはできない、ということ。

一方(というか)、その方法を作る方法、ぐらいまで抽象化すると、もう少し汎用性というか、応用可能なユーザーの範囲は広がるかもしれない。
自分に合った方法をどう作るか、という話であれば。

とはいえ、そういう言説が売れる/受け入れられるかどうかと考えると、心もとない。