103

血液型占いで苦情を伝える

少し前に、「**さんってぜったい、A型だよね!」(だって細かいことにこだわるから)みたいな会話を久しぶりに耳にして、うわー、いまだに血液型で人の性格を規定する人がいるのか、と思い、まあでも一般的にはまだまだそんな感じなのかな・・と思ったのだけど、ふと、いやそうじゃなくて、人が人の性格に対して「キミ、A型だよね〜」とか「O型でしょ〜」とかいうのは、本当は「そんな細かいこと言うなよ、うるさいな」とか「大ざっぱだなw もうちょっと丁寧にやってくれよ」とか言いたいところで、しかしそのまま言うとカドが立つから一種の迂回路、つまり遠回しに苦情を伝える手段として「あなた*型でしょ」とか言うのかなあ、と思った。

大抵、血液型と性格をつなげて語る場面というのは、先に「行動」があって、そこから類推された「血液型」が告げられる(「そんなことをするアナタはA型でしょ?」)という順番であって、逆は少ないと思われる。

ということは、「行動から類推された血液型を伝える」ということは「その行動についてどう思ったかを伝える」という一種のサイン、メッセージになっていると言えそうだ。

もう少し踏み込んで言えば、そのメッセージは不快を伝えるメッセージでもあると思われ、なぜなら賞賛するときに「すごいね! A型だから成功したんだね!」というのは余りに失礼だが、逆に不満や不足を伝えるときに「ダメだなあ、でもその失敗はあなたがA型であることに起因するものであって、あなた個人のせいではないよ」という文脈なら伝えやすい。

つまり、もし今後またそういうことを耳にしたり、直接言われたりしたら、「ああ、この人は、その対象の人のその行動、または振りまく態度を、あまり快く思っていないのだな」と思えば良さそうだ。

もちろん、言っている当人はそんな自覚はないだろうけど、単純にそれに対して「血液型と性格は全然関係ないよ!」なんてマジレスしても仕方ないというか(そう伝えることにも一定の意味はあるかもしれないが)、少なくともそれだけで終わらせるよりは、その人の無意識にあるメッセージを読み取ることに努めたほうがより良い人間関係の構築につながるのではないか、という話。