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見積りを誤るのは希望的観測にもとづいて判断する方が楽だから

日程にせよ費用にせよ、見積りを失敗する大きな要因の一つは、「甘い見積りを出すほうがその時点における精神的負担が少ないから」だと思われる。

「短めの日程」と「長めの日程」を作業前に比べたとき、後者の方が安全性が高いのは誰にでもわかることだが、そちらを取るべきだと主張するのは、気持ち的にちょっとつらい。

逆に、前者の方が危険性が高いとわかってはいても、それが達成できた場合のさまざまな利点はあまりに魅力的で、ついそちらを取りたくなる。

言い換えれば、「できません」と言うことは自分をみじめな気分にさせるが、「できます」と言うことは自分を誇らしい気分にする上、周りを喜ばせることもできる。

しかし、その誇らしい気分や、周りからの評価は「借金」のようなもので、負債は後から必ず返さなければならない。

人が人である以上、悲観的観測にもとづく見積りよりも、希望的観測にもとづく見積りの方を取りがちなのは仕方がない。

だからせめてそのことをつねに意識して、借金を抱え込む可能性をなるべく減らそう、という話。