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終わりのタイミングが遅い人

小学校の高学年のとき、友達に誘われて合唱部に入っていたんだけど、ある大会に出る直前の2日間、別の学校から専門の先生を呼んでコーチしてもらう、ということがあった。

あれはウチの学校の顧問の先生がけっこうやる気のある人で、たぶん中学とか高校とかで合唱部の顧問をしてる先生を呼んできたとか、そんな感じだったんじゃないかと今となっては想像する。

1日目と2日目はそれぞれ別のコーチで、どちらもけっこう厳しいというかやっぱり普段の練習とは違う、やや本格的な感じなんだけど、とくに2日目の先生がガチというか、みんなだいぶヘトヘトになりながらそれに付いて行って、もう外も暗くなってしばらく経った頃、そのコーチが「じゃあそろそろ・・」と言ったので僕らは当然「ああやっと終わりか〜」と思ったのだけど、「そろそろ本番やるか」と言ったので全員ひっくり返った。

ウチの先生も「いやいや!(笑)」みたいな、さすがに、って感じで突っ込んで「もう遅くなってきたので、終わりましょう」とか言ったら、そのコーチは「え?もう終わり?」みたいに不思議な顔をしていたのがものすごく印象に残ってる。

この時のことをなぜ覚えているのかというと、その後もなんであれ、分野ごとにそういう「終わりだと感じるタイミングが普通の人よりずっと遅い」人がいて、傾向として何らかの成果を出す人に共通するのはこれだと感じる。

もちろんこういう人がつねに成果を出すとか、こうじゃない人がつねにダメということではないが、傾向としてそういうのがあるだろうということ。

その2日目のコーチの人にしても、合唱を教えること以外ではすぐに飽きたり諦めたりするかもしれないが、そのときはそれだった。で、ぼくはその時にたぶんほとんど初めてそういう人に出会って、その後も時々そういう人に会っている。

え?なに?これから本番?って今言った?まじでwwみたいにその都度なるけど、でもそれを悪いとか変わってるとかは思わない。自分も時々それになっていると感じる。人生のけっこう早い段階でそういう人に会って「こんなんでもいいのか」と思ったことが影響しているのかどうか、わからないが、そうかもしれないとも思う。