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共通の名前をつける

scholaに主要スタッフとして関わり始めてかなり最初の方でやったのは、それぞれのコンテンツというかコーナーにスタッフ間で使用するあだ名というか呼び名を付けたことで、というのも例えば「CDの収録曲をリスト化したページ」をどう呼ぶか、というたったそれだけのことでも、ある人は「メニュー」と言ったりある人は「目次」と言ったりある人は「曲リスト」と言ったりまったくバラバラで、しかも皆が皆、その自分なりの感性に従った言い方でつい無意識のうちに押し通してしまい、話し合いをしている相手が一瞬前に言った言い方すらオウム返しにはしない、ということがあり、その「合わせない誰か」が悪いというよりも、同じ名称を使ったほうがいろいろ便利というかラク、という概念自体がそもそも流通していなかった。
そしてぼくもまたとくにどうしたほうが良いとかラクだとか確信していたわけではなかったが、とりあえず「呼び方そろえましょうか」と提案したのだった。

同じ物、または同じ工程、同じ現象を、そこにいるメンバーが同じ名前で呼ぶことが出来るようになると本当にいろんなことがラクになる。
間違った名前をつけるとかえって混乱することもあるが、それは修正すればいい。あの言い方はちょっと分かりづらいからこうしないか? と。
そうではなく誰もが同じものを俺流で呼び始めると、何をするにもまずはそれを解読することから始めなければならなくなる。俺流、というかいわゆるオリジナリティ、自分の好きな何か、というのはもちろんときに大事だが、そこで主張する必要はない。というか邪魔にしかならない基本。

まだ大した経験もないのにああいう提案をした俺、GJ! 今さらながら思う。その後の自分を救った。