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5. iPhoneを持っていない人がiPhoneを貶めない世界

iPhoneが出たばかりの頃、それを貶めるコメントをする人の多くが、iPhoneを使ったことがない人だった印象が強い。買わない自分を正当化する理由として、いかにそれが駄目であるかを述べているような記事を多く読んだ記憶がある。
iPhone自体の良し悪しとはべつに、そういうことはよくあると感じる。ようは自らの立場を、あるいは自分自身を、正当化するための言葉になってしまい、それが実際には発言の説得力を薄めているようなところがある。

もちろん、自らの存在意義につながるものとして、あるいは単に自分の好きなものとして、持っているものを良く言ったり、あるいは気に入らないものを悪く言い、必然的にそれを持っていない、などのことは実に自然なことだが、やはり言説として傾聴したくなるのは、発言者の正当性に関わらない、言い換えれば自己愛を満たす目的ではないものであるとは言える。
iPhoneを持っていないけど、それがどれだけ魅力的であるか。あるいは逆に、iPhoneを持っているけどそれがいかに使いづらい代物であるか、ということを述べている物の方が、とっつきやすさとしてとりあえず読んでみたい気持になる。

とくに整理しないまま書いた上記の事々は、ぼくの関わるその団体やぼく自身を正当化する内容でありつつあるように見えるが、何らかの役に立ちそうなことがあればそこだけでも抜き出して参照してもらえたらいいと思う。