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ジャストアイディアの風景

これはジャストアイディアなんですが・・という言い方があって、あるいは「たんに思いつきなんですが・・」でもいいが、そういうのはもうやめた方がいい。時間がもったいない。
そういうのは「あくまで思いつきなんで、くだらなくてもダメって言わないでくださいよ〜」という甘えた意識が言下にあって、ということは自分でもくだらないかも? と思っているわけだが、でも「もしかしたら」というのが聞く側にも生じるので「とりあえず」聞いてみるわけだが、その「もしかしたら」の先には大抵暗い未来しかない。
そうではなくて、アイディアなんてすべて初めからくだらなくていいし、意味なくても、何の役にも立たなくたっていい。それが前提になっていればいちいちそういうことを言わなくて済む。と同時に、それがどんなにくだらない案であっても、「言うからには」つまり、他人の時間を割いてでも聞かせるからには、真正面からそれを思いついてしまいしかもそれを言ってしまった責任をとらなければならない。それさえできれば何を言ったって基本的にはいい。
これは思いつきなんですが・・と言われると、「ああ聞きたくない・・この人は自分でもいいかどうか分かっていない意見を俺の貴重な時間を使って言おうとしている、しかもその責任を取ろうと思ってすらいない・・俺の時間がそんなふうにして消えていく・・」という気になる。そこには「このあと私がどんなにくだらないことを言っても私は責任を持ちませんよ。だって思いつきなんだから。そしてそれを最初に明言した時点で私の果たすべき責任は果たされているし、ついでに言えば私はこのあと自分の言うことがまったくの無駄で無意味かもしれないことを自分でも分かっていると言いたい程度には馬鹿ではない」という意識があって、聞かされる身としてはあまりよくない。