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それは

1) それは誰にもわからなかった。
  でもそれは、誰にも伝わった。 


 ホーキングやアインシュタインニュートンの講義をもし聞くことが出来たのだとして、それを大抵の人はきっと理解できないのだとして。
 でもそれはどんな芝居よりもエンタテイメントでありえたのではないか、と私は思います。
 Fマイナーさえわからない。小文字の「h」が、ナチュラルの「B」、つまり「シ」を示すのだとわからない人が、あの教室のどれだけを占めたでしょう。
 でも菊地さんが最後の方で言ったように、僕にもそれは感じられました。”教わりたいほど惹きつけられた”。


2) 筒井康隆がかつて文芸時評で、ミラン・クンデラの「別れのワルツ」を、『今月読んだ一番面白いエンターテイメントにして、今月読んだ一番面白い文学作品』と紹介したことがあって、それを思い出しました。


3) では講義録をお楽しみに!!