103

2004.10.28 Thursday @JGM-17th

  • 本日のご紹介


1. サイドの
 おすすめ商品(「しょーしん」と発音しよう。タロネット・ナカタの社長さんのように)を変えました。ガラテイア2.2

2.『ガラテイア2.2』は
 アメリカの作家:リチャード・パワーズの小説で、パワーズといえば日本で言ったら京極夏彦並みの博識ぶり(インクルーディン’理系)と、アメリカで言ったら(パワーズもアメリカだけど)トマス・ピンチョン並みのレンジの広さを誇り、さらには内省的なノベル感による「ほどよい甘さ」を兼ね備えてもいる稀有な;ようするに天才の〜作家さんです。
 僕が初めて読んだこの人の小説は『舞踏会へ向かう三人の農夫』で、でもそれはあまりよくわからず(感情移入/集中して読めなくて)、というかまだ最後まで読めていないのですが、とはいえその下地があったからこそ、この2段組のそこそこ長い小説を最後まで読めたのだと思ってもいます。舞踏会へ向かう三人の農夫
 この『ガラテイア』には幾つもの魅力的なプロット(仕込み/仕掛け/話題)が組み込まれていて、その多くは存外に古典的というか、言ってみれば使い古された仕掛けであったりもするのですが、とりあえず恋愛的要素があるっていうそれだけでそういう風に言えます。
 でも、ここでいう恋愛が何を指しているのかっていうことがまた存外に重要な部分かもしれなくて、そこを僕と同じように読むか読まないか、あるいは読まないようにするか等はその人によるでしょうから、やはり具体的な例はひとつも挙げないでおくことにします。
 まあとりあえず、ジャケが素晴らしいのがこの本(『ガラテイア』)の大きな特徴だとは思いますが、中身に立ち現れる風景は、ジャケで得た喜びを増幅こそさせても、失わせるということはないと思います(新たな喜びによって、かつてのそれを無効にするということはあっても)。
覚醒
3. 『覚醒』は
 DJクラッシュのけっこう前の作品ですね。これは・・・初めて買ったクラッシュの作品で、クラッシュさん自体は、もうスペース・シャワーでレギュラーで番組のDJをしているときから知ってはいたのですが、それは作品を知っていたということではなくて、ただ顔をカッコいいなと思っていただけでした。
 そして実を言えば結局その後も、この手の(というか)ブレイク・ビーツ作品(ここでは、音を切り張りする、という程度の意味で使いますが)に心から感動するということはこの作品も含めてほとんどなくて、それでも、ここにしかない意思、トーン、風合いというものを好ましく思わないはずはなくて、なんだかんだ言って結構聴いてました。
 それはたしかこのぐらいの季節で、10月も終ろうという今頃の湿り気を多分に詰め込んだ、まさに今にしかない外気の匂いを嗅いでいると、具体的なことはほとんど何もないのですが、何だかいろいろ思い出した気になるのが不思議というか、普通でいい感じです。
 DJクラッシュと言えばBOSS THE MCとの『Candle Chant』に触れないわけにはいかないところですが、これで1行触れたので、またに致します。サマー・サン

4. ヨ・ラ・テンゴ
 は、すごい信頼しているグループのひとつです。
 ある時期のニューヨークの音楽。というものに僕はとても惹かれるのですが、それはたとえば、映画監督のハル・ハートリーが自身の作品のために作るような楽曲です(ネッド・ライフル名義)。実際、ハル監督のOSTにヨ・ラが参加していることもあるし、本人同士が繋がっているということもあるのでしょうが、空気感と言うか、それらは気持をクッと引っつかむ点のどこかが、何となく似ていると思います。
 ちなみにこのアルバムは、何度も試聴した後にかなり迷って、買いませんでした。もう一押し、欲しかったかなあ、と。
 ジャケには全面降伏ですが。


 | note103 | 日記 | 02:39 |