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Theピーズのマイベスト10曲

1/8に10年以上ぶり(たぶん)のライブ、かつ人生初のピーズのライブを見に行ってから、

note103.hatenablog.com

その後もなかなかピーズ熱が収まらないでいたら、Apple Musicでピーズの曲が聴けると聞いて、

同サービスは以前に使って「使いづら・・」と思って使用ストップしていたのだけど、これまで使っていたサブスクリプションサービスのSpotifyの方にピーズがなさそうなので、しばらく乗り換えてみることにした。

ちなみに音楽サブスクリプションサービスについては以下に少し書いたことがある。
Spotify無料プランの感想 - 103

で、持っていなかった『マスカキザル』や『トドメをハデにくれ』などを中心に聴いていたら「やっぱり曲いいなあ」といろいろ思い出したので、そのまますぐ頭に浮かんだ順にベスト10曲を選んでみた。

この際、わざわざアルバムの収録曲とかは見返さず、また聴き返しもせず、ただ本当に頭に浮かんだ順に挙げた。

あとこういう場合、カウントダウン方式にするのが定石な気もするけど、リストを考えるときには1位から順に考えたので、普通にその順(好きだと思った順)に書いていく。

すぐに聴けるようにYouTubeを貼っているけど、オフィシャルなものはないようなので、いつ消えてしまうかわからない。
AmazoniTunesストアで買える収録アルバムのリンクを動画の下に貼っているので、フルで正規録音を聴きたい場合にはそちらからどうぞ。

ちなみに、最初は1曲ごとにコメントを付そうかとも思ったけど、大変な労力になりそうだったので、やめておいた。

2. そばにいたい

youtu.be

グレイテスト・ヒッツ Vol.2

グレイテスト・ヒッツ Vol.2

3. シニタイヤツハシネ

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とどめをハデにくれ

とどめをハデにくれ

トドメをハデにくれ by thepees on Apple Music

4. 線香花火大会

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リハビリ中断

リハビリ中断

The ピーズの「リハビリ中断」を iTunes で

5. 日が暮れても彼女と歩いてた

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トドメをハデにくれ by thepees on Apple Music

6. 君は僕が好きかい

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クズんなってGO

クズんなってGO

クズんなってGO by thepees on Apple Music

7. どっかにいこー

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マスカキザル

マスカキザル

マスカキザル by thepees on Apple Music

8. ヒッピー

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The ピーズ

The ピーズ

The ピーズの「The ピーズ」を iTunes で

9. 絵描き

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アルキネマ

アルキネマ

Arukinema by thepees on Apple Music

10. バカになったのに

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グレイテスト・ヒッツ Vol.1

グレイテスト・ヒッツ Vol.1

次点

  • 今度は俺らの番さ
  • このままでいよう
  • バイブレータ
  • ブリロー
  • 世紀末のうた
  • とりあえずここはいい気持ち

ジャケット(Amazonへのリンク)を貼って気づいたけど、たまたまながらかなりアルバムがバラけた。
つくづくキャリア全体を通して名曲を歌ってきたんだなあ、と感じる。
(次点には初めて買った『グレイテスト・ヒッツ vol.2』からの曲が多いが)

そして『アンチグライダー』以降はちゃんと聴いてなかったなあ、とも。
この機会に追いかけてみたい。

アンチグライダー

アンチグライダー

赤羽39

赤羽39

後者に収録されている「焼きめし」、めっちゃカッコイイ。

そしてピーズは来たる6/9に武道館公演。興味を持った人はぜひどうぞ。
thepees30th.com

先行予約の抽選を以下で1/25の23時までやってるみたいです。
http://ticket.pia.jp/pia/ticketInformation.do?lotRlsCd=29129

Theピーズ ベスト10(2017/01/15)

Theピーズの新春ライブ at 千葉LOOKに行ってきた

2017/1/8(日)に千葉LOOKで行われたピーズのライブに行ってきた。

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「2017新春シリーズ」千葉LOOK | Theピーズ

ピーズは中2か中3ぐらいから聴いている。
まだ開局したばかりのbayfm(千葉のFM放送局)から流れてきた「そばにいたい」を聴いてハマったのだった。

その頃の習慣で、面白そうなラジオ番組があったらすぐカセットテープに録音する、というのがあって、そのときもちょうど録音していたから、それはもう何度もその番組を聴き返した。それは注目の新人を流し続ける、みたいな番組で……ってこの話、前にも書いたなと思ったらココで書いていた。

note103.hatenablog.com

じゃ、それはもういいとして(書き直しもしない……)、でもそんな好きでもライブは行ったことがなかった。
時々千葉LOOKという、歩いて行ける距離にあるそのライブハウスに来ているのはおぼろげに知っていたのだけど、自分には関係ない、となぜかなんとなくそう思っていたのだった。

それが去年の後半だったか、ピーズがTwitterアカウントで活動情報をマメに更新しているのを見つけて、
twitter.com

そのままチェックするともなくチェックしていたら、年明けに千葉LOOKでやるというのを見て、ああ、なんかこんな好きなバンドなのに一回も見たことなかったんだっけ……死ぬ前に一度は見ておかないと後悔するかもなあ、と謎の切迫感に襲われそのまま抽選予約に申し込み、当たったので行ってきた。

当日は冷たい雨、それもけっこう激しいやつが夕方ぐらいから降っていて、前日までのそれなりに穏やかだった気候から一転厳しくなったのもあって、家を出る前には「うわあ〜……今日行くの大変だなあ……ちょうどやってる仕事もキリ悪いしどうするかな……」とかウダウダ思ってみていたが、ライブを見に行く前というのは大体いつもそんな調子なのであって、「日常」から「そうではない世界」へ移行する際のちょっとした抵抗をグイと乗り越えなければいけない。

開場15分前ぐらいに会場に着いてまず驚いたのは、女性のお客さんがめっちゃ多いことだった。
ぼくはてっきりピーズって男の客ばっかりかと思っていたが、むしろ女性のほうが多かったのではないか。

いや考えてみたら、ピーズがデビューした80年代後半から90年代にかけてのバンドブームの頃っていうのはまさに女性のファンがそれを牽引というか、支えていたのかもしれず、その彼女たちが自分の好きな音楽を聴き続けてきたのだとしたら、とくに不思議なことではないのかもしれないが、事前に思い描いていた「ピーズのライブ、自分なんか行ったら強そうな人たちにすぐペシャンコにされるんじゃないか……」みたいなイメージとはかけ離れていてよかった。

しかもそれから整理番号が呼ばれるまでの15分ぐらいの間、徐々に集まってくるお客さんの多くは顔見知りというか、友人同士で来ている人もいれば、「いつも来てるから知ってる」みたいな人同士も少なくないようで、顔を見つけては「ああ」とか言ってやわらかく手を振って挨拶をするような人がけっこういた。

そういうコミュニティが、なんかある感じだった。千葉LOOKでのピーズのライブの常連なのかもしれないし、ピーズのライブ全般のファンなのかもしれない。

入場してビールを買って、しばらくしてから先にトイレに行っておこう、と思ったらその途中でいきなりハルさんに遭遇して、二言三言、声を交わしてしまった。まさかこんな近くで会うとはまったく想像してなくて、今「声を交わした」と書いたが、実際には緊張してほとんど声も出なかった。でも最初は、え、本当にハルさんなのか、と目の前にその人がいること自体がなかなか信じられなかったのだ。

初めて間近で見るハルさんは、今まで勝手にイメージしていたよりずっと体が大きく見えた。

まだツアーの途中だからセットリストなどは言わないほうがよいのだろうけど、ライブはとっても良かった。
大好きな曲も多くやっていたし、知らない曲(たぶん持ってないCDに入ってる)もいくつかあったが、どれも楽しく体を揺すったり飛び跳ねたりした。

そうだった、ぼくだって昔は(20代ぐらい)ライブでずっと飛び跳ねていたものだが、もう10年以上はライブ自体行ってなかったので、体力大丈夫か? と少し心配していたのだが、アップテンポとミドルテンポの曲がとりまぜて構成されていたせいか、最後までずっと飛び跳ねられていた。

あと大声で歓声を上げる、というのも昔はよくやっていたけど、もうしばらくやってないから出ないんじゃないか、声、という不安を持っていたけど、けっこう出るじゃん、声、という感じだった。

途中で数曲のアコースティック・セットがあり、ハルさんが一人でアコギで歌うのだが、それもよかった。
ハルさんは一人ピーズというので各地を弾き語りで回ったりもしているみたいなのだけど(物販で買ったDVDにその模様が収録されていてさっきまで見ていた)、それもむちゃくちゃいい。
もし近くで見れる機会があるなら行ってみたい。(今後またあるのかはわからないが)

千葉LOOKは小さい会場なのだけど、というか小さいがゆえに客と演奏者の一体感がハンパなかった。音がハコ全体に充溢し、アビさんがギターソロを弾きながら会場に背中からダイブして、神輿のように客に持ち上げられたまま運ばれていくのだけど(その間もずっとギターを弾いてる)、天井が低いからアビさんが客と天井に挟まれながらワッセワッセと移動していく。

もしかしたら、ニューヨーク・パンクの現場とかってこんな場所だったのではないか、とか勝手に想像する。
皆でその場所を作ってる。皆がこれを楽しんでいる。

アップテンポの曲になると、それまで後ろの方にいた人たちがウワーッて感じでいきなり突撃してきて、これはこれでまた祭り状態というか、まあいわゆるモッシュっぽい感じになって、四方八方からボコボコにどつかれるのだけど、でもそれもそんなに暴力的っていうのでもなくて、年齢層が比較的高いからか、「節度のあるモッシュ」みたいになってただ楽しいだけだった。

(時々、後ろからゴン!ってどつかれたショックでメガネがずれる、というのが何度かあって、「これメガネ落ちたら即割れるな……」という恐怖は味わったが)

ハルさんのボーカル、ベースを生で初めて見て、衝撃的にカッコよかった。むっちゃすごいエネルギーだった。そしてCDで何度もくり返し聴いて、それでも聴き足りないぐらい好きだったアビさんのギターのフレーズがやっぱり好きだった。

思ったのはシンちゃんの存在の大きさで、シンちゃんのドラムがなければやっぱりこのピーズの音は出ないのだ、と思った。どの曲をどんなふうに鳴らすとしても、シンちゃんがいれば大丈夫という感じがすごくする。不安がない。

ぼくはハルさんもアビさんも天才だと思っているが、その才能はシンちゃんのドラムがあるから最大限に開花し、ぼくらに届くのだと感じた。

ライブが終わったときには汗だくで、開場前に外で整理番号を呼ばれているとき、冷たく激しい夜の雨に打たれながらTシャツ1枚に首にタオル巻いてるだけ、みたいな準備万端だけど準備早すぎだろ、さすがに寒いだろ、みたいに思った人が何人かいたのだけど、その頃にはその人たちの方が正しかったのだと、漫然とパーカーを着ながら見始めて、途中で脱いだものの時すでに遅しで汗を噴き出しながらそう思った。

ドリンクチケットをライブ後に交換するお客がけっこう多くて(良い方法だと思った。次からそうする)、演奏が終わってからもなかなか熱気は収まらなかった。
空調があたる場所で体を冷ましながら人が減るのを待って、ようやく少し空いた物販コーナーでTシャツ(アビさんが着ていたもの)とタオルとDVDを買った。

DVDはこれ。
www.thepees.com

6月9日の武道館も行く予定。
thepees30th.com

元々は「死ぬ前に一度は見ておかないと……」という、最後の1回ぐらいのつもりで行ったのだったけど、今は「死ぬまでにあと何回見れるだろう」という、今後も当然見る感じになっている。

音声入力を用いた文字起こしでブログ(3) 〜schola16巻のつくり方〜

soundcloud.com

あけましておめでとうございます。

新年最初の投稿は、音声入力を用いた文字起こしの成果物シリーズ、第3回です。

前2回は以下。

久しぶりだったので、手順を思い出すのに集中してしまって、前のように細かく作業時間をトラッキングするのをうっかり忘れていましたが、スピードは多分そんなに変わっていないか、むしろ早まっているかもしれません。

その辺の検証や詳細な手順については次回、または趣味のプログラミング関連について書いているブログの方で書くかもしれません。

the code to rock

これまでは本当に身辺雑記というか、たんに考えをつれづれに述べていただけで、今回もまったく同じ予定でしたが、最初にscholaの話から始めたらそのままずっとscholaの話になったので、scholaの話だけしています。

と言っても10分程度ですが、プロのおしゃべりでもないので、これ以上長いのもつらいなと思って一旦切っています。

話自体はもう少し続くので、次のトライ時にはそれを使うかもしれません。

たまたまですが、本日夜10時から、NHK FMで坂本さんの年始恒例の特番が放送予定で、それもschola最新刊「日本の歌謡曲・ポップス」と合わせたテーマらしいので、並べるのもおこがましいですが、副音声的にご参照頂くのも一興かなと思います。

なお、素材の音声は年末(と言ってもほんの数日前ですが)に録音しました。

transcript

[0:00]

今日は、2016年12月29日ですね。時間は午後4時半ちょっと過ぎ、もうすぐ5時になるかなという感じなんですけど。

前に録音したのが、いつ頃だろう、10月は入ってないですかね。9月か10月ぐらいだったと思うんですけど、その頃はまだ若干余裕があってですね。

余裕っていうか、仕事以外のことも何かしらできていたんですけど、その後ちょっとと言うか、かなりと言うか、忙しくなって。10月いっぱい、プラス11月のちょうど半ばぐらいまでですかね、かなり忙しくなって。

なんでそんな忙しかったのって言ったら、12月21日、だから1週間ちょい前ぐらいに発売されたんですけど、坂本龍一さんのですね、音楽全集のプロジェクトがありまして。それを作っていたんですね。

それの最新刊が、第16巻ですね。坂本さんたちもそろそろあちこちで、それなりに話題にしてくれてるとは思うんですけど、テーマが「日本の歌謡曲・ポップス」というものでですね。

ええ、大変な目に……(笑)遭いましたけども。まあ、ブログではチラッと書いたんですけど、なんだかんだで2012年ぐらいからもう話し合いは始まっていてですね。ゲストは誰をお呼びしようかとか、こういう曲も入れてみたい、こういう曲も歌謡曲と言えるのでは、みたいな話はチラチラしてたんですね。

[3:00]

ですけど、2012年はまだscholaはひと桁巻だったのかな、まだ他の巻を作っていて、すぐには作れなかったんですけど、やがてというか、ようやくというか、じゃあ次は「歌謡曲」、そろそろ行けるかね、みたいな感じで、去年からはもう本格的にというか、チョコチョコやってて。

それであのー、コンピレーションCDなので、コンピレーションCDというのはつまり、いろんな曲、いろんな歌手によるいろんな曲を入れつつ、そのブックレットがけっこう分厚い、まあ分厚いっていうほどでもないですが、これが120ページぐらいあるんですけど、それをCDにくっつけて発売するという、そういうCDブックなんですけど。

で、このコンピレーションCDを発売しているのはavex/commmonsっていう、avexの中にcommmonsがあるって感じなんですけど、ああ、まあ実際はよくわからないんですけど、ともかくそこが発売元なんですが、そのavexの音源を収録するってことは稀でですね。

というのは、やっぱり他にそのワーナーさんとか、ユニバーサルさんとか、大手のいろいろな……って、大手に限らないんですが、いろんなレコード会社さんが出してるいい曲っていうのがやっぱりたくさんあって、坂本さんにしても他のゲストの方にしてもですね、当然そのいろんなところにある、いろんないい曲を入れたいということがあるので、そういうところの会社さんにですね、「この曲をぜひ収録させて欲しいんですけど」なんてこと言うわけですね。

これがけっこう時間がかかるというか、そういう作業がまあ、今年ですかね、メインでやって。

で、それが決まらないと作れないブックレットのページっていうのも当然たくさんありますので、それに関わるページもたくさんやったのが今年ですね。

[6:00]

まあだから、メインの作業は今年なんですけど、その土台になるようなことは去年からけっこうやってて、さらにその前の年……だから2014年ですか、にも、そこそこ話し合いはやっていたんですよね。だからまあ……長いですよね。

候補曲もですね、これはどこかで言ったかもしれないですけど、とりあえずその今回坂本さんの他に、小沼純一さんと、北中正和さんと、牧村憲一さんという方々がメインで、どの曲を入れようか、なんて話し合いをしてるんですけど、その方々それぞれから100曲ずつですね、これは坂本さんから指令というか、提案ですかね、100曲ずつ持ち合おうよ、みたいな話になって。

って、そういう話はしたかな? もしかしたらあまり他ではしてないかもしれないんですけど、まあ、秘密ってこともないと思うので、大丈夫と思いますが……ああ、ブックレットに書いたかもしれないけど、ともかく100曲ずつ、皆さんがですね、持ってくると。

自分が良いと思った、これは今回の歌謡曲&ポップスにいいんじゃないの? みたいなものを集めて、持ち寄るんですけど。なぜかですねえ、あの普通、こういう場合って重複する曲がたくさんあると思うんですけど、なんか集計したら、重複を弾いても380何曲とかなってて、その時点で。

あれ、こんなにみんなバラバラなの?(笑)って。坂本さんもそうですけど、他の方々もなんだか知らないけど、かぶらないのを持ってくるんですよね。不思議なことにね。

それで、その時点でも400曲弱ぐらいかあ、なんて言って、それをもとにまた、そこから絞っていこうってなるんですけど、でも増えていくんですよね(笑)。これもこれも、これもあった、思い出した、ってなって。それはもう、本当にウェルカムなんですけど、当然。すごくありがたいことだし、scholaの内容をより面白くする、あるいはより未来に残す、質を高める、という意味ではすごくいいことなので、ぼくもですね、「遠慮なくどんどん持ってきてください!」みたいなことを言ってたんですけど。

[9:00]

まあ一方で、それによって作業はですね、当然のことながら、延びていくわけなので、そこのジレンマというのもありつつ、まあでも最大限、候補は集められるだけ集めようといってやってましたね。

それで400はまあ、ゆうに越してですね、やがて。けっこう膨大な。

しかもそれですら、400とか言っても、絞った時点でそれですからね。皆さん厳選して持ってきたものを集めてそれになっちゃって、これをCD1枚に入れるってなるとですね、最終的に22曲になったんですけど、じゃあ倍率何倍だって言う。すごいですよね。

だからまずその絞っていくのがけっこう大変……大変っていうか、バランスみたいなこともありますし、同じ人の曲ばっかり、同じ歌手の曲ばっかり入れるってのも、まあできないですし。

あと時代も、この時代だけなんかやけに無茶苦茶多いね、みたいになってもちょっと違うし、その絞っていく過程というのはなかなか、まあ時間かかりましたよね。

けど、最終的には本当に、ええとね、あれですね。他のレコード会社さんが本当にすごく前向きに、協力してくださってですね、それはレコード会社さんだけじゃなくて、レコード会社さんを通して、さらにその作曲された方とか、歌ってる方まで話が行くケースもあってですね。

だから普段、この人のこの曲ってあんまりコンピレーションにないよね、みたいのもけっこうあると思うんですよね。まあ、「けっこうあると思うんですよね」って言って「そうそう」って言う方もあまりいないかもしれないですけど、今回は、坂本さんのそういう企画ならいいですよ、ということでOKを頂いたところもありましたね。

[11:30]

commmons: schola vol.16 Ryuichi Sakamoto Selections: Japanese Pop Music

commmons: schola vol.16 Ryuichi Sakamoto Selections: Japanese Pop Music

commmons: schola 第16巻「日本の歌謡曲・ポップス」本日発売です

本日2016/12/21(水)、コモンズ・スコラの第16巻「日本の歌謡曲・ポップス」が発売されました。

【vol.16】 Japanese Pop Music| commmons: schola(コモンズスコラ)-坂本龍一監修による音楽の百科事典- | commmons

commmons: schola vol.16 Ryuichi Sakamoto Selections: Japanese Pop Music

commmons: schola vol.16 Ryuichi Sakamoto Selections: Japanese Pop Music

いやあ、長かった……っていつも言っている気がしますが。

今回はメインの編集や許諾等の作業は今年、2016年に多くをやりましたが、その土台になる作業は去年から進んでいて、さらにその準備的な作業は2014年から始まっていたのだよなあ、と思い、いま過去のやり取りを見直してみたら、最初にけっこう具体的な、このテーマに関する話し合いを始めていたのはなんと2012年でした……どんだけ……。

もちろん、というかブックレット等の内容にはその2012年から話し合ってきたことも様々なかたちで反映しています。

今回のメンバーは、坂本龍一さんとレギュラーの小沼純一さんの他、音楽プロデューサーの牧村憲一さん、音楽評論家の北中正和さん、それから座談会のゲストとして奥中康人さんにもご参加頂きました。

北中さんは第8巻に続いて二度目のご登場ですね。

commmons: schola vol.8 Eiichi Ohtaki Selections:The Road to Rock

commmons: schola vol.8 Eiichi Ohtaki Selections:The Road to Rock

奥中さんは現在、静岡文化芸術大学の教授でいらっしゃいますが、今回のテーマに深く関わる分野を研究されていて、

面白いお話をたくさん聞かせて頂きました。

その他、今回の見どころ・聞きどころとしては……なんでしょうね、まあおそらく本日以降、ようやく本作を手にできたという方が大半だと思うので、ネタバレ的なことは避けながら書きますが、とにもかくにも業界の錚々たる方々が協力してくださってようやく実現した、というのは大きな特長かなと思います。

もちろんこれまでの巻にしても、各レコード会社をはじめ本当に多くの方のご協力があってようやく作れたものなのですが、ユーミン美空ひばりさん、シュガー・ベイブといった通常であればこうしたコンピでは見かけないような方々の曲が、会社間の垣根を超えて1枚の中に収まっている、というのはこのプロジェクトならではかな、と思います。

あとはやっぱり、scholaでしかありえない選曲の妙というか、誰もが知るような曲もあれば、「え、これなの」みたいな意外な曲もあるかと思われ、これについてはじつは最終的な22曲に固まる前の、準決勝的なリストのほうがより今回の選曲のユニークさを示しているように思えてならなかったので、初の試みではありますが、そういう結果的に次点になった曲群も、ブックレットではまとめて掲載しています。

さらに言うと、「誰がその曲を推薦したのか」ということも読者としては知りたいところだろうと思って(というか自分ならそう思うと思って)、その辺も頑張って明記していますので、お買いになった方はぜひそのあたりも楽しんで頂けたらと思います。

あとは何でしょうね……ああ、解説ですね。上に記した方々のほか、今回はscholaへのご参加が初となる東端哲也さん、高岡洋詞さん、松永良平さんに充実した原稿を書いて頂きました。
毎回、初めてお仕事をする執筆家とのやり取りは緊張が絶えないですが、皆さん期待を超える文章を届けてくださって、読んで「ああ、頼んでよかった」と安堵するパターンをだいたい22本(曲)分くり返しました。

あとはそうだ、「歌詞」も普段はあまりないコンテンツで、というのもscholaの場合はインストものがけっこう多いので、歌詞は時折例外的に入れる、というぐらいなのですが、今回はテーマがテーマなので全曲歌詞掲載でした。
そのためのデザイン・フォーマットも新たに中島デザインさんに作って頂きましたので、ぜひご注目を。

あとは巻頭のところに毎回1ページ分、その巻を象徴するような口絵を入れていまして、たとえば上記の8巻ならプレスリーの肖像写真、14巻(「日本の伝統音楽」)なら網野善彦さんの本で紹介された「逆さ地図(日本地図がひっくり返ったもの)」を載せていたりするのですが、今回も良いものを掲載することができました。
内容については読者に最大限楽しんでもらえるよう、ここでは隠しておきますが。

ということで、毎回思うことですが、今回も作りながら途中で「ああ〜これ本当に終わるんかいなあ、最後まで出来るんやろか〜……」と不安でいっぱいになりつつ、でも「これが最後だと思って頑張ろう」と力を振り絞って*1なんとか最後まで駆け抜けた、という感じでした。

今回はとくに校正さん、デザイナーさん、印刷所の方々など、普段にも増して各所へ迷惑をかけてしまいましたが、その他のここには名前を挙げていない皆さんも含め、多くの方のご協力のおかげで形にできたこと、本当に感謝しています。

ちなみに個人的には、今年の「紅白」の前にこれをリリースできた、というのが嬉しいですね。

上の方で、「誰がその曲を推薦したのか」も楽しんでほしい、みたいなことを書きましたが、最終的には全曲坂本さんが「これを入れるべき」と推したものだけが入っていますので、坂本さんが選んだ22曲の「日本の歌謡曲&ポップス」と、2016年の紅白を並べて聴いて頂くのも面白いのではないか、と勝手に思っています。

【vol.16】 Japanese Pop Music| commmons: schola(コモンズスコラ)-坂本龍一監修による音楽の百科事典- | commmons

*1:実際にはこの巻で終わりなわけではないですが、次があると思わず悔いが残らないように頑張ろう、ということ。

「リライト」と「剽窃」を分けるもの

「リライト」とは何か

  • キュレーションメディアの騒動において、「リライト」という表現がよく聞かれた。
  • その意味としては、「他人が書いた文章を、内容はほとんど変えず、細かい表現を書き換えることによって、自分の文章にしてしまう(元の著者の形跡を消してしまう)」という行為を指すようだった。
  • しかし通常、というか少なくとも僕にとって「リライト」というのは、本人がやるのであれ、他人がやるのであれ、「文章をより良くするためにその一部または全体を書き直すこと」であって、少なくともその過程で「執筆者の名義が変わってしまう」などということは意味しない。
  • キュレーションメディアの運営において行われていた「リライト」とは、元の執筆者の著作権・名義・匂い、といったものを消すための行為であって、これは文章を何度も洗浄(ロンダリング/laundering)する様子を想起させることから、同様に「資金を転々と移動させることによりその出どころをわからなくすること」を意味する「マネー・ロンダリング資金洗浄)」にならい、ここでは便宜的に「テキスト・ロンダリング」と名付けておきたい。
  • 上述のとおり、文筆業の世界では通常、「リライト」と言えば執筆者が同一であるという前提で行われる行為だから、執筆者が変更されてしまう前提の「テキスト・ロンダリング」を、「リライト」と呼ぶことには違和感がある。

目的の違いがもたらすもの

  • より踏み込んで考えるなら、前回の記事にも書いたとおり、執筆を職業とする人はほとんど誰もがそうした「テキスト・ロンダリング」に類する行為をしているとは言える。かつて誰かの書いた文章をまったく参考にせず、依頼された原稿を書くなどということは、不可能とまでは言わないまでも、相当に困難か、あるいは事実の調査を行わないという意味で無責任か、そのどちらかだろう。
  • では、そうした一般的な「他人の書いた文章を素材として自分の文章を書くこと」と、上記の「テキスト・ロンダリング」との違いは何かと言えば、前者が「素材にした情報を踏まえて、新たな内容を生み出すこと」を目的とするのに対し、後者は「原著者の形跡を消し、自らの文章として発表すること」を目的としている。
  • 何であれ、「行為」というものは「目的」と結びついて、初めて「意味」を持つ。
  • たとえば「棒で叩く」という行為そのものは特定の意味持たないが、「音を鳴らすために・太鼓を・棒で叩く」なら「楽器の演奏」という意味が生まれるし、「心身を傷つけるために・他人を・棒で叩く」なら「暴力」という意味が生まれる。
  • それと同様に、「他人の書いた文章を素材にして自分の文章を書く」という行為そのものに特定の意味はないが、「新たな内容を生み出すこと」を目的とするのか、「原著者の存在を消し、自らの作品として発表すること」を目的とするかによって、その行為がもたらす意味は大きく変わる。
  • 「原著者の存在を消し、自らの作品として発表する」という行為に「リライト」という名前をつければ、それまで社会の一部で通用し、承認されてきた、従来の「リライト」という言葉がもつ意味やイメージを、それは横から奪い取ることができてしまう。
  • 実際にキュレーションメディアの界隈で「リライト」と称して行われていることは、「著者の名義は変えずに、文章をより良く書き換えること」ではなく、「他人が書いた文章から原著者の名義や権利を剥ぎ取り、自分の文章として世に発表すること」、つまり「剽窃」を目的とした行為だから、当事者が無自覚だとしても、その二つの違いを示すこともなく、同じ名前をつけて語ることには、不適切さを感じる。